サミ子さんバッグ展のあと、禁酒会館では、フェアアイル・ニットのten oldさんと 革小物のtopivさんの"Due hands"展が開催されました。 わたしDMをいただいて帰っていたのですが、偶然知り合った方が、実はten oldさんのご家族ということで、お知らせもくださっていたのです。 事前に拝見していたten oldさんのHPの中で、わたしがすごい!!と思ったのは、 フェアアイル紀行!!。 なんと、スコットランドのシェットランド諸島にあるフェア島に実際に行かれていて、そこで島の方たちと交流を深め、生活の中にあるフェアアイル・ニットに触れてこられているのです。 フェアアイル・ニットとは、フェア島の伝統的な編み物のことです。 これはten oldさんの作品。 日本でもおなじみ、寒い季節に素朴な温かさを感じさせるニットです。 今は有名なこのフェアアイル・ニットですが、1921年に当時の皇太子プリンス・オブ・ウェールズが、セント・アンドリュースのゴルフ大会に、島民から送られたセーターを着て出場してから知られるようになったのだそうです。 その後、第二次世界大戦時に、英国最北端の孤島に駐留した兵士が、故郷に送ったことから更に知られるようになり、ビートルズのポール・マッカートニーが着ていたことからブームになったのだそうです。 フェアアイル・ニットの起源は、"フェア島沖で1588年に難破したスペインの軍艦の乗組員が、貧しい島民の親切に感謝して技術を伝えた"という説と、"太平洋から北海に通じる海上交通の要所だったフェア島に、8世紀頃にバイキングが技術を伝えた"という説などがあるそうです。 このニットの柄ってよくみますが、背景にそんな物語があったとは全然知りませんでした。 これからこの柄をみたら、あ!って思いだします。 伝統のものって必ず深いし、物語がありますね。 面積が9平方キロ、人口が70人ほどという小さなフェア島の女性たちは、このフェアアイル・ニットで生活を支えています。 手編みは膨大な時間がかかるため、現在では機械編みが主流だそうですが、それでも島の女性たちは手編みの達人だそうです。 これは立ったままで編み物が編めるベルトを使って、ten oldさんが編んでいらっしゃるところ。 片方の編み棒を刺して固定できる穴がいっぱいあいたベルトです。 わずかな時間も編み物につかう、歩きながらでも編み物をするための、生活の知恵から生まれた道具です。 ten oldさんの編むスピードも目にも止まらないくらい速いのですが、島のおばあちゃんたちはもっともっと速いのだとか。 うーんすごい。 ひとつのことに熟達した方の動きって、それだけで芸術だと思います。 とってもあったかくて美しい、ten oldさんの作品たちでした。 ご本人もとても素敵な方で、フェア島の方々もきっと、ten oldさんと作品を心から歓迎されたに違いないと思いました。 こうやって背景を知っていくことで、いままで「ただの模様」だったものが、「ストーリー」になりますね。 そういう経験の積み重ねが、「よりよく生きる」ことであったり、「他者を敬う」ことであったり、「エコ」だったりするのだろうなあって思いました。 だって自分がストーリーを感じたり、知っているものは、大事にしますものね。 そしてそれを他の人に伝えていこうと思う。 お話させていただいて、とっても楽しかったです。 ten oldさん、ありがとうございました! わたしが感動したフェアアイル紀行は、文章や写真がとってもすばらしいのです。 そうしたら、書かれていたのはライターをなさっているご主人で、なんと私が大好きな某航空会社の機内雑誌にも記事を書かれていらっしゃる方でした!! お話させていただいて、すごく嬉しかったです。 ありがとうございました! topivさんは、高知で革小物とビーズのアクセサリーを作っていらっしゃる作家さん。 すこしお話させていただいたのですが、明るいお人柄が作品に表れているようでした。 アンティークビーズがお好きとのことで、ビーズの作品もつくられていたり、革の作品にもさりげなくあしらわれています。 ビーズが好きな男性って珍しいと思いますが、単にわたしがまだあまり会ったことがないだけなのだろうか。。 topivというお名前が印象的でしたが、もともとは旅行された際に、現地の方がToruを読み間違えたことから名づけられたそうです。 topivさん、ありがとうございました! こんなふうに楽しい作品展が常時開催されている禁酒會館、実は国指定の文化財でした! http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=137242 知らなかった。。
by songsforthejetset
| 2009-01-03 20:29
| 芸術いろいろ
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