皇居東御苑に行ったあと、明治神宮へ行ってきました。 明治神宮は、明治天皇と昭憲皇太后をお祀りしている神社。 明治45年に明治天皇、大正3年に昭憲皇太后が崩御され、ふたりの遺徳を偲ぶ国民からの機運が高まり、大正9年に鎮座された場所なのだそうです。 わたしこの日は期せずして、皇室つながりな場所を訪れていました。 そしてどちらも外国からの観光客の方がとても多くて、純日本的なのにインターナショナルな感じがしました。 どういうわけかこの旅行の前、明治神宮について紹介している記事を読むことが多かったのです。 なんでも明治神宮はすごいパワースポットなのだそうです。 テレビをつけたら明治神宮が映っていることも何度も続いたので、これは行きなさいってことだなあと思い、2泊目のホテルへの移動途中に原宿へ。 明治神宮って、原宿の駅に隣接しているんですね。 今回の旅行で初めて知りました。 原宿駅には、普段使われていない皇族の方のお召し列車専用のホームがあるそうですが、明治神宮のそばというのも関係しているんでしょうか。 そんなことを考えつつ、原宿駅のすごい人波(近くでコンサートか何かがあったらしく)を抜け、明治神宮の参道へ。 賑わう原宿駅前から一歩入っただけなのに、そこにはもう鬱蒼とした森が広がっています。 鳥居が境目になっていて、ここはまさに鎮守の森という感じ。 この森は、大正4年から造営がはじまった、完全な人口の森なのだそうです。 当時の計画に携わった方々は、多様な樹木を植栽することで、年月を経て極相林に達するように、日本各地や朝鮮半島・台湾からの献木365種約12万本を計画的に植えたのだそうです。 人工的な手入れを施さなくても、自然の状態で生き続ける森をつくることを目的に造園されたのだそうで、当時の計画をなさった方々の先見の明はすごいですね。。 "循環して生き続ける"という、自然を大切にしてきた日本古来の考え方がそこに息づいているのを感じます。 代々木という地名も、井伊家の下屋敷があったこの地に代々伝わる、登れば江戸中を見渡せるような樅の大木があったため、「代々木」と呼ばれるようになったそうです。 初めて知りました。 地名に歴史あり。。 その樅の木は残念ながら明治時代に枯れてしまい、今の「代々木」は昭和になってから植えられたものだそうです。 参道は砂利道、わたしはパンプスだったので、 脚力がすごいいります。。 しかも、旅の荷物をロッカーに預けたかったのに、原宿駅がすごい人でそれどころではなく、大荷物のままでした。 お、重い。。 これは参道の途中にある鳥居。 日本で一番大きな木造の鳥居だそうです。 ちょうど七五三の頃だったこともあり、可愛い着物姿の女の子や男の子がそこここに歩いていて、すごい可愛かったです♪ でも重い。。 そして、 参道が長かった!!(←不覚) 森のくまさんでも出てきそうな、深い森の中を相当歩かないと、本殿の御社殿までたどりつけません。。 ちょうど菊花展が開催されていました。 大きなものから小さなものまで、とても華やか。 つきあたりにやっと建物がみえてきたかも~(T▽T)。。 御社殿前にやってきたところ、結婚式の行列がちょうど通るところでした!! すごく素敵で、みんないっせいにカメラを構えていました。 明治神宮とよく合っていて、とても綺麗だった。 この日は日曜日だったこともあってか、3組も結婚式に遭遇して、なんだかラッキーな気分になりました♪ さてお参りをしようか、と思った瞬間、大声が上がり、走っていく2人の男性が。 何、何?! みんな騒然となりましたが、どうやらそれは、置き引きと追っかけて行った人だったらしく。。 「こんなとこで泥棒なんて、バチ当たるよ~」 と若いお母さんが嘆かれていましたが、私も同感です。 あの長い参道を逃げ切れる自信があったのか、今日のごはんにも困ってのことだったのか。。 ふとヴィットリオ・デ・シーカの「自転車泥棒」が頭に浮かび、どちらにも気の毒な気分になりました。 皆さん神社でも手荷物には気をつけましょう!! 気を取り直してお参りお参り♪ こちらが御社殿です。 神社仏閣にお参りすると、なんだか敬虔な気分になりますね。 おみくじをいただいたら、一般的な吉凶が書いてあるものではなく、「大御心」といって、和歌が書いてあるものでした。 雅ですね~。 その後宝物展示室で開催されていた、「明治天皇と維新の群像」展へ。 昨年は明治維新から140年の年だったそうで、その記念の特別展でした。 この時代から140年しか経っていないんですね。。 改めて、日本の発展がいかにめざましいものだったかを実感します。 ちょうど篤姫を見ていたこともあって、その実際の方々ゆかりの色々な物が展示されていて、とても興味深かったです。 この絵は薩長軍が錦の御旗を掲げて京都を出発するところですが、この錦の御旗の本物も展示されていました。 その日の夜に篤姫を見ていたら、ちょうど錦の御旗が登場したので、これ今日みた~!!とすごい嬉しかったです(^-^)。 青い着物は、東儀秀樹さんが演じた孝明天皇の御袍。 刀は、孝明天皇が徳川に嫁いだ和宮に渡した御守刀。 手紙は、木戸孝充が書いた薩長同盟の密約書の裏に、坂本龍馬が朱色で裏書をしているもの。 鏡が置かれていて、表と裏から手紙を読めるように展示してくださっていました。 龍馬の署名は「坂本龍」となっていて、馬は??と思ったり。 誠の字は、新撰組の袖章です。 軍服は西郷隆盛のもので、大きくてびっくり! この軍服は、明治6年の千葉県習志野での軍事演習の際に、西郷隆盛が着用していたものだそうです。 その演習中の深夜、風雨のために明治天皇のテントが倒れてしまったそうですが、明治天皇は眠っている兵士たちを起こさないように、雨の中一人でテントを直そうとなさっていたそうです。 それを西郷隆盛が偶然発見し、2人でずぶ濡れになりながらテントを立てた、というエピソードが一緒に紹介されていました。 明治天皇には、人柄を感じさせる温かいエピソードが多い気がします。 国民のうへやすかれとおもふのみ わが世にたえぬ思なりけり ひさかたの空はへだてもなかりけり つちなる国はさかひあれども これは明治天皇の御製ですが、きっととても誠実で真摯な方だったのだろうなあと思いました。 朝ごとにむかふ鏡のくもりなく あらまほしきは心なりけり こちらは昭憲皇太后の御歌。 「仁愛的事業に国境なし」という心で明治天皇を支えた、聡明で優しいお人柄だったそうです。 他の展示物には、 坂本龍馬直筆の新政府綱領八策、高杉晋作の愛玩石、徳川慶喜がナポレオン三世から贈られた帽子、江戸開城談判時の勝海舟あての西郷隆盛の書状、新撰組の名簿、戊辰戦争の際に新政府軍の隊長が着用したヤクの毛のかぶりものなど、たくさんの明治維新ゆかりの貴重な品がありました。 いちばん感動したのは、明治4年に太政大臣三条実美が、岩倉具視率いる欧米使節団の壮行会を自宅で催した際、その席で三条実美が読んだという「送別の辞」の文章でした。 今ヤ大政維新、海外各国ト並立ヲ図ル時ニ方リ、使命ヲ絶命万里ニ奉ズ 海外内治、前途ノ大業、其成否実ニ此挙ニ在リ 豈大任ニアラズヤ ・・・ 行ケヤ、海ニ火輪ヲ転ジ、陸ニ汽車ヲ輾ラシ、万里馳駆、英名ヲ四方ニ宣揚シ、無恙帰朝ヲ祈ル 壮麗な文体の名文。 "意を決して世界に跳躍しようとする日本の意志の大きさが浮かびあがる ペリー来航からわずか18年、近代日本の世界への船出" と解説に書かれていましたが、この文章には感動!! あまりに美しい文章なので、メモってしまったくらいです。 この時代に生きた人だからこそ書けた、明治の気風というか、開国間もない日本の息吹を感じさせる名文です。 と、こんな素敵な展示も観ることができて、とても楽しく有意義だった明治神宮参拝でした。 ここもおすすめスポットです。 明治神宮 http://www.meijijingu.or.jp/
by songsforthejetset
| 2009-01-18 21:24
| 旅
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