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ニュースレター"Ca・et・La(サエラ)"7月号 連載エッセイ     「なないろの ほうせきの くに」


こんにちわ。
爽やかな夏空がひろがる毎日ですね。
皆さまお元気でお過ごしでしょうか?

今回は、わたしが大切に思っていることを、絵本みたいに書いてみました。
タイトルは「なないろの ほうせきの くに」。


 むかしむかし あるところに
 とてもうつくしい
 なないろの ほうせきが
 うまった お庭をもっている
 おだやかなひとびとがすむ くにがありました

 でも みんな
 じぶんのお庭のほうせきが
 お庭のどこにうまっているのか
 どんなほうせきなのかを しりません

 ほりはじめて すぐ みつかるひとも いれば
 なんメートル なんじゅうメートル ほっても
 みつからないひとも います
 
 おおきなダイヤモンドを ほりあてるひとも いれば
 ちいさな すいしょうのかけらを たくさん みつけるひとも いる
 
 ながいあいだ いっこも みつけられない
 ひとも います
 
 じぶんで たちあがって
 じぶんの お庭を
 じぶんで ほりかえしたひとだけが
 うつくしいほうせきを みつけます

 ほうせきは ほりだしただけでは
 ただの よごれた いし

 きれいに あらって
 ながいながいじかんをかけて みがいて
 はじめて かがやきます

 あなたも だいすきだとおもえる ほうせきが みつかったら
 きれいにみがいて
 いっしょうけんめい たいせつにしましょう

 あなたが たいせつにしているものは
 ほかのひとも たいせつに してくれるようになりますよ
 
 だから ほかのひとが たいせつにしているものを
 あなたも たいせつにしてあげましょう

 あなたには
 ただのいしころにみえても
 そのひとにとっては
 ダイヤモンドよりも たいせつなものですよ

 このせかいを かがやかせているのは
 いままでのひとたちが みつけて
 たいせつにした

 たくさんの
 たくさんの

 なないろの ほうせき

 そして みんなのお庭の なかには

 まだまだ
 まだまだ

 たくさんの
 もっとたくさんの
 かぞえきれないくらいの

 なないろの ほうせきが うまっています

 このよは
 うつくしい ほうせきで いっぱい
 そして
 これからも どんどん ふえつづける

 そうです このよは
 なないろの ほうせきの くに

 あなたも ほかのひとも
 すべて
 このせかいが たいせつにしている
 なないろの ほうせき

 このせかいが わたしたちに くれたものに
 かんしゃして
 わたしたちも じぶんの
 なないろの ほうせきを さがしましょう

 いま
 じぶんがもっているもので
 じぶんのなかにある
 なないろの ほうせきを つかみましょう

 そうしたら このよは

 もっと
 もっと
 もっと

 うつくしい

 なないろの
 ほうせきの
 くに


たくさんの「なないろの ほうせき」を輝かせるのは、
人の心の美しさを信じる力、
人を信じる力。

そして何よりも、
自分自身を信じる力。

どうか、
あなたの中と、
あなたの周りにある、

「なないろの ほうせき」をみつけてくださいね。
ニュースレター\"Ca・et・La(サエラ)\"7月号 連載エッセイ     「なないろの ほうせきの くに」_c0089310_2285158.jpg









                         イラストレーション 濱中さつき(ツールアシスト) 
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ツールアシスト発行のニュースレター"Ca・et・La(サエラ)"7月号に書かせていただいたエッセイです。

以前ブログに書いたものを、短くまとめてみました。
長いバージョンはこちら → なないろの ほうせきの くに

これがじぶんのいちばん言いたいことなので、ニュースレターにもぜひ書かせていただきたいって思いました。

この「なないろの ほうせきの くに」は、不思議な感じで生まれた文章なんです。

昨年9月の質的研究ワークショップが終わった後の休日、朝9時頃目が覚めると、もうすでに頭の中になにかがあって、アレ?と思いながら書きはじめたら、どんどん泉がわくみたいにあふれてきました。

誰かが話しているのを一生懸命メモする時のように、そこにあるものを書きとめるのに手が追い付かないくらいのスピードでした。
自分で書きながら自分も発見する感じ。

起きてすぐ、お気に入りのバラ模様のフリースガウンをはおって、台所の椅子にすわって、ピンクのキラキラなノートに、ひたすら書き続けました。
今でもよく覚えているけど、秋の日の、これ以上ないほど明るくておだやかな、素敵な朝でした。

他にしたいこともあったけど、こっちの方が大事だと思って、結局午前中いっぱい書いていた気がします。
B5のノートにぎっしり、8ページくらい。
このとき前半ができました。

後半は、またそれから数ヶ月後のこと。
研究室で、先生たちのお弁当代の計算を電卓でしていた時、急に降ってきました(笑)。

お掃除をしている時とか、自転車をこいでる時などの、"単純に身体を動かしながらふと思考が空白になっている時"に、いいアイデアや文章、思いつきって降ってくるのです。

この時はコンピュータのフローチャートみたいな構造全体がみえて、
そうだったのかぁ~!!(T▽T)。。 
ってひとりでウルウルしました(←危ない)。

この世界が人間を大切にしているから、他の人を大切にする人は、この世界から大切にされる。
他の人を大切にするには、自分が幸せでいること。
自分が幸せでいるには、自分の才能が世の中の役に立っていて、自分も楽しかったり、豊かだと思える生活ができていること。
豊かとは、自分にとってのほんとうの幸せが何なのか、わかっていること。

今の日本で、少子化問題が叫ばれているけれど、わたしは毎年3万人以上の人が自殺していることのほうが、よほど深刻な問題だと思います。
1日で約100人。
「自分にとってのほうせき」を見つけることが、よりたくさんの人が幸せな人生を歩むことにつながるのではって思うのです。

世の中のたくさんの人が、「しあわせそうなほかのひとがもっているほうせき」をもてば、じぶんも幸せになれると思って暮らしています。
幸せそうな人をうらやましいと思うし、幸せそうな人が他の人からうらやましがられているのを見聞きして、いいなあって思ったりするからです。

わたしも、他の人のことをよく、いいなあって思っていました。

だけど、ほかのひとのほうせきは、その人が持っているから輝いているのだって、気づいたのです。
その人が自分の人生の中で輝かせているから、キラキラしている。

それに、その人が本当に幸せかどうかは、その人にしかわからないのだって、気がつきました。
他の人がどれだけうらやましく思ってくれても、その人の心の中が幸せでなかったら、結局幸せではないし、
他の人からみたら、それほど幸せそうににみえなくても、その人は充分幸せで、満ち足りている人だっているからです。

「じぶんのなかのほうせき」を発見すると、いままでの人生が、とても素敵なものに変わる。
そしてそれが、「じぶんのほんとうの幸せ」をみつけることにつながるのだと思います。
「じぶんのほんとうの幸せ」は、人によってさまざまです。

ひとりひとりが、自分の中にある、自分にしかない才能を発見し、伸ばしていくことは、きっと世の中全体を良くすることにつながっていくと思うのです。

好きなこと、上手なことはもちろん「ほうせき」ですが、他人と比べて引け目に思っていることや、他の人と違っていて嫌だと思っていることも、裏を返せば、「自分が他の人よりも恵まれている特徴」だとも言えます。

自分はマイナスに考えているものでも、他人からみたら、それは立派な個性、プラス面だったりします。
発想の転換で、プラスにとらえて、自信を持って磨いていくと、それはいつか「うつくしいほうせき」へと変わっていくのだと思う。

世界最大の研磨済みダイヤモンド、ゴールデン・ジュビリーは、545.67カラット(109.13g)の、ファンシー・イエロー・ブラウンのダイヤモンドです。

でもこの石は、発掘された当初、原石が濃い色を持っていたため、醜いアヒルの子のように扱われていたのだそうです。

センティナリー・ダイヤモンドをカットする際に、新しいカッティングのための工具と技術を試すための実験台としてカットしたところ、世界最大となる美しいダイヤモンドが得られ、驚かれたのだそうです。

自分が「醜いアヒルの子」だと思っている部分にも、もしかしたら、「ゴールデン・ジュビリー」が隠されているかもしれません。

たくさんのほうせきが輝く世の中でありますように。
by songsforthejetset | 2009-08-12 02:29 | 連載エッセイ
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