昨日は天満屋岡山店の「白洲次郎と正子の世界展」に行ってきました! この展覧会、巡回で日本各地をまわっていて、今まで行きたかったものです。 天満屋で開催されると知った時には本当に嬉しかった^^ すごい楽しみにしていたので、行けてよかった。。 11時頃、天満屋6階の葦川会館についたら、すごい人!! 昨日は入場者数が特に多かったそうで、お店の方も驚いておられました。 中の方たちも、口々におっしゃっていたのが、土日は込むと思って今日来たとのこと。 わたしもでした(T▽T)。。 とにかく人でいっぱいだったのですが、驚いたのは、会場がとても静かだったこと! こんなに人が多いと、もっとざわざわして、作品をみるのに集中できないことが多いのですが、皆さんマナーもよく、とても静かで、本当に真面目に集中してご覧になっているのが伝わってきました。 それと、こういった展覧会は普通女性がほとんどなのですが、お一人や、奥様と連れ立った男性の姿がそこかしこに見られたのも特徴的でした。 若い方からご年配の方まで、白洲次郎さんの服や愛用品、手紙などの展示に見入っておられ、改めて人気の高さを感じさせました。 こんな風に、ご夫婦で楽しめる展覧会っていいですね^^ 男性、女性ともに憧れられる生き方をされた、実在のご夫婦のライフスタイルを垣間見させる展示は、絵画のような芸術作品と違ってどこか身近で、共感できるものなのだと思います。 わたしも本の中に出てくる、いろんなゆかりの品が見られてとても嬉しかった^^ なんでも鑑定団に登場したマッカーサーの椅子も展示されていました。 ずっと昔から白洲次郎さんをTVで拝見したり、ご本を読んだりしているので、今のブームはすごい嬉しいです。 6年前に武相荘に行った時には、展示は正子さん主体で、次郎さんはそれほどクローズアップされていなくて、ちょっとさびしかったのを覚えています。。 きっとこれからも、このご夫婦の人気は続くと思うし、好きになってくれる人がいるから残っていくのだと思う。 ただ、ブームが大きくなればなるほど、実際のご本人たちと、ブームの中での像とはきっとすごく違うのだろうなあと思うようになりました。 以前東京に行った際にも、ちょうど茂木健一郎さんと白洲信哉さん(茂木さんのブログによく登場する、白洲次郎さん&正子さんのお孫さん。母方の祖父は小林秀雄さん。)の対談をお聴きする機会があり、その中でもそういったお話が出てきました。 お孫さんの信哉さんは、よく白洲正子さんの旅にも同行なさったそうですが、服装がすごい派手で、しかも誰にでも話しかけるので恥ずかしくてしかたがなかったのだそうです。 竹の子族くらい派手で、一目でどこにいるかすぐわかりますとおっしゃっていました。 和風の生活のイメージが強いけれど、次郎さんも正子さんも、ライフスタイルは完全に洋風だったそうです。 わたしはそのお話を聞くまで、写真や文章からのイメージで、正子さんって気難しくて怖そうなイメージだったのですが、なんだか天真爛漫で素敵だなあと思った^^ わたしが正子さんをはじめて知ったのは、昔たしかananで、メンソレータムとシャネルのコンパクトを愛用なさっているのがのっている記事だったと思います。 その頃は白洲正子さんのことを全く存じ上げなかったのですが、歳をとってこんなにオシャレで心の柔らかいおばあちゃんでいるのって素敵だなあと思ったので、その記事はすごく印象に残っています。 (※何しろうろおぼえなので、もしかしたら別の方かもしれませんが。。) 今回の展示をみていて、正子さんにすごく惹かれました。 なんだか、純粋で天真爛漫、大海にひとり漕ぎ出していくお姫様のイメージがしました。 すごく孤独で、その孤独をいろいろな世界に心を馳せることで満たし、美しい作品に変えていった方なのじゃないかなって思った。 感受性が鋭すぎて、なかなか同じ目線でつきあえる同性はいなかったのではないかと思いました。 二人が愛した身の回りの品の展示がとても美しかった。 "洗練された質朴"とパネルにも書いてありましたが、本当にそんな感じ。 写真で見るとわからないけれど、何事も薄くて軽く、小さめ。 素朴なものが多いけれど、どれも上品です。 江戸時代のそば猪口も、とても小さい。 いいものは素朴なつくりでも、軽やかさを持っていると思う。 そして大切に使われていることも見てとれます。 次郎さんがドライブに使ったゴーグルつきの革の帽子も展示されていました。 道も悪く、相当ヘビーな使い方をしたんじゃないかと思うけど、すりきれていたり汚れているところがないのです。 作業用のつなぎも、はんてんもきれい。 正子さんが着た着物も全部きれい。 いいものを大事に使う。 そしていろいろなものが大事に取ってある。 政治的な重要な書類は焼いてしまったそうだけれど、思い出は残した方なのだなあって思いました。 *展示で素敵だと思ったもの* 入ってすぐの大甕 次郎さんの作業用つなぎ ドライバーさし 室町時代の備前の陶板 信楽焼のふくろう 次郎さんの小さな楕円形の金のピルケース 平安時代 中尊寺伝来の鈴 奈良時代 法隆寺伝来の鈴 古代ガラスの指輪 江戸時代のそばちょこ 彩色がとても美しくかわいらしい古九谷豆皿 李朝白磁桃型水滴 一番好きだと思ったのは昔の鈴でした。 平安時代の鈴ってどんな音がするんだろう。。 昔その鈴の音を聴いていた人のことを思うと、一瞬にしてトリップしそう。 これは売店にレプリカも置かれていて、正子さんがペンダントにしてつけていたお気に入りのものなのだそうです。 あと、手書きのものが全部よかったです。 軽井沢から鶴川までの次郎さんの手書きのロードマップ ラリーのルートマップみたいに書いてあるのです。 次郎さんの遺言書 意外に小さい でも重い すごい1枚でした。 サンフランシスコ講和条約の際に吉田茂さんが読んだ原稿(複製) 苦労がしのばれました。 吉田茂さんの手紙 達筆!! ポスターになっている、2人の有名なポートレイトも展示されていました。 "To my beloved you”って正子さんの写真に美しい筆跡で書いてあったのが印象的だった。 白洲正子さんの、98年の最後のインタビューが上映されていました。 その中の印象的だった言葉。 日本人は自然に育てられてきた はじめは神様をおがんだ 名前をつけてね 花でも何でも 山川草木全部が神様 現代の人はその声を聴く力を失っているけど、いずれ気がつくんじゃないかと思う わたしは正子さんの本を一冊ちゃんと読んだことがないので、また読んでみようと思いました。 展示の中に、永青文庫を設立なさったことで知られる細川護立さんと正子さんがご一緒に写っている写真があり、正子さんは骨董について護立さんから手ほどきを受けられたということでした。 細川護立さんは、昭和25年から天満屋で開催された「名宝展」の顧問もなさっていた方。 奥様が岡山の池田家の方なので、いっしょに名宝展の顧問をなさっていた池田宣政さんとは義理のご兄弟になるのだそうです。 以前天満屋で、護立さんのお孫さんで総理大臣もつとめられた細川護煕さんの作品展があり、焼物や、お地蔵さまの絵など、とてもよかったのです。 そんな有名な方の作品展ってすごいなと思っていましたが、おじい様の代からのご縁もあってのことなのかなと思いました。 売店では、図録は買わないで「島たや」っていう沖縄の雑誌を買いました。 そして、PLAYFASTって書いてあるハンカチ(2枚組)も、つい買ってしまいました。 PLAYFASTTシャツは、以前武相荘に行った時に買って、すごく大きいので家の中で着ています。 XS出ないかな。。 日本と外国のいろいろな美しい場所に、とても上質な旅をしたような気分になりました。 白洲次郎・正子夫妻のことをよく知らなくても、男性も女性も楽しめる展示だと思います。 おすすめです!!! 天満屋岡山店にて、9/13(月)まで開催中^^
by songsforthejetset
| 2010-09-11 17:15
| 芸術いろいろ
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