作品を通じて出会う奇跡

作品をつくるとき、どうしてそれをつくっているのかわからずにつくる時があります。

わたしは作品をつくっているときには、いつも何かの風景が浮かんでいて、それを映画のようにみながらつくっています。

そして、その自分がみていた風景を、一言で言いあらわす言葉をタイトルにつけています。

自分がつくっているときから、作品はそれを取りにいらっしゃる持ち主のもので、その方のためにつくっているという気がしています。

だから、持ち主が取りに来られた時に、それをつくっているときに浮かんだ数々の疑問や謎が、まるで種明かしされるように解けるときがあります。

そんな時には号泣しそうになります(してしまったことも)。

そうだったのか!というこの謎解き、自分にしかわからないのですが、本当に奇跡のようなことがよく起こるのです。

そんなふうに、作品を通じてたくさんの奇跡に出会っているけれど、今日は特別だったので、書いてみようと思います。


お世話になった知人にお礼をしようと思い、その方がとても可愛がっていらっしゃる小学生のお孫さんに、ネックレスをおつくりしようと思いました。

どんなのをおつくりしようかな、と思った時、思い浮かんだのは、大人っぽくてフォーマルなデザインのもの。
ドレスアップした時にぴったりです。

お孫さんのお写真は拝見したことがあったのですが、似合うかどうかは全然わかりませんでした。

でもそれが浮かんだので、つくりはじめました。

色も素材も最初に決まっていたのですが、つかう材料の大きさなど、途中でどうしようかな?と思った時に浮かんだのが、そのお孫さんのお母さんに尋ねることでした。

実はそのお孫さんがまだ赤ちゃんの時に、お母さんは事故で他界なさっています。

もちろんわたしもお会いしたことはないのですが、心の中で、
(お母さん、どっちがいいですか?)
と尋ねると、わたしの心の中に浮かぶお母さんがちゃんと、こっちと選んでくださるように感じるのです。

わたしのイメージの中では、色白の優しそうな方で、ピンクっぽい頭巾かストールみたいなものを肩に巻かれて、白いワンピースかコートみたいなものを着られています。
とてもうれしそうにずっとニコニコされています。

トップの石を選ぶ際、小さいのと大きいの、サイズが2種類あったのですが、わたしは小さい方が小学生ならつかいやすいと思っていたところ、お母さんが大きい方を選ばれたので、そっちにしました。

つくっているときに思い浮かんでいたのは、結婚式の披露宴のような晴れの場所でお孫さんがつけていらっしゃるイメージ。
まぁ、これ、いいねぇーと、ネックレスを大人からほめられています。

つくってみると、思い描いていたものより数段素敵なものができました。

つくり終えたとき、ありがとう、ありがとうとお母さんが感謝してくださっているように感じて、わたしも嬉しかったです。

いい作品ができてよかったわ〜。と満足。
ただ、お孫さんがつけてくださったところが見られないのがざんねん。。
と思っていました。

わたしは作品をつくっただけだと、まだ8割しか完成ではなくて、つけてくださったところを拝見してやっと完成した気がするのです。

箱に入れ、リボンもかけ、あとは知人宛に送るのみ。

と思っていたら、今日の夕方、突然その知人からお電話が。

なんと今銀座にいらっしゃっているそう!

タイムリーすぎてびっくり。
そしてたまたまわたしも出て行ける時だったので、いらっしゃる喫茶店までお伺いしました。

そうしたらご家族もご一緒に東京にいらしていて、お孫さんもご一緒でまたびっくり!!

お伺いすると、なんと明日、お子さん2人がご結納なのだそうです。

つまり、そのお孫さんのお父さんのご再婚も決まられたのだそう。

とてもおめでたいお話をお伺いできて、本当に嬉しかったです。

そして、お孫さんが実際に作品をつけてくださったところも拝見できることになり、こちらも思いがけず嬉しいことでした。

とてもかわいいお孫さんの、小さな後ろ姿を見ながら、細い首元にネックレスの留め金をとめていたとき、なぜかこれで自分の仕事が完了したように感じていました。

そしてふと、なぜこのデザインだったのか、なぜわたしがお孫さんにつくって差し上げたくなったのか、全部の謎がとけた気がして、思わず大泣きしそうになりました。

わたしがつくっているときにずっと浮かんでいた結婚式の披露宴のイメージは、きっと再婚するお父さんのもの。

お母さんは、お母さんとして最後に、自分の娘になにかあげたかったのかも。

ずっと見守っていた、母の愛情を感じました。

お母さんはとてもニコニコされていたので、きっと満足なさっているのだと思います。

なんだかいろいろなことが心に迫って、胸がいっぱいで、感無量でした。
帰ってもごはんを食べようと思わないくらい。

こんなふうに、制作している時に自分が見ているストーリーと、現実が重なる時があり、すごい偶然というか、奇跡のように感じることがあります。

今回の作品は、お渡しすることになった今日の成り行きも含め、いままでで一番深い意味を感じたものでした。

お役に立てたかな。

素敵な作品をつくらせていただいて、ありがとうございます。

みんな幸せになりますように。

そんなふうに思いながら、作品をつくっています。
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by songsforthejetset | 2013-07-25 01:33 | アクセサリー・Lumiere | Comments(0)
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