旅日記 その7
・ MFA(Museum of Fine Arts) ・ Emmanuel College "CONVOCATION" 朝のTVの天気予報によると、今日はお天気さらに悪いらしいです。。 なので今日は美術館に行くことに。 美術館が目的でも、やっぱりお天気は晴れていたほうがいいんですけど。。 Y先生の赤い傘をお借りして、Green LineのTでMFAへ。 日本では「ボストン美術館」って言いますが、地元ではMFA(Museum of Fine Arts)って呼ばれてます。 朝なのでのどかな雰囲気です~。 このMFAもほんとによく通いました。 美術館はどこも好きですが、ここは特に居心地いい美術館だと思います。 全体の雰囲気が、明るくてフレンドリーな感じがします。 MFAはEmmanuel Collegeから歩いて10分くらいのところにあって、学生はStudent IDを見せたら無料で入れるのです。 それに中の展示品を前に模写やスケッチとかするのも自由で、MFAの美術学校の学生さんや趣味で絵を描いてる方とかも、地べたに座り込んだりイーゼルで絵を描いたりしてます。 ゴッホの模写とかも本物をお手本にできるわけですから、今思えばすごい贅沢ですね! 私もそれに混じって、よく画板持ってデッサンしに行ってました。 でも今回はお金払わないといけません。。 って、チケット売り場の列に並んでみたら、チケット代ってけっこう高いのです。 特別展も観たかったら$23だなあ。。どうしよう?? って考えていると、優しそうなおばさまが横にやってきて、 「誰かチケット1枚いる人いない?」 って、並んでる人達にむかって声をかけました! えっ!って思わずそっちを向いたら、 「チケットが1枚余ってるから、いかが?」 って言ってくださいました。ほんとですか?! 「私たち特別展の朝のガイドツアーに参加するんだけど、1人来られなくなって、チケットが余ったの。もし使ってくれたら嬉しいわ。」 おばさまが天使に見えました。。。 お金払います!!って言ったんですが、美術館のメンバーなので、チケット代はただなのだそうです。 あなたが楽しんでくれたらそれで充分よ。ってチケットをくださいました。 「チケットいただいた」っていうのと、「知らない人から親切にしてもらった」っていうのの両方ですごい嬉しかったです。ありがとうございます。。 特別展は”AMERICANS IN Paris”、19世紀末にパリで絵を学んだアメリカ人の画家の作品を集めたものです。 Sargent, Cassatt, Whistlerなど、大好きな画家の作品がいっぱいあった。。 写実的で、上品で、叙情的なところがすごい好きです。 昔から、好きになる物って不思議とこの時代の物が多くて、アール・ヌーヴォーもそうだし、好きな音楽やファッションとかも、改めて考えたらこの時代だったりします。。 何か共通するものがあるのかな? 前世?!(byオーラの泉) 絵を観てたら、黒人の係員の男の人がやってきました。 「日本人ですか?」 ガールフレンドが日本に住んでいて、去年日本に遊びに行ったのだとか。 なんかすごい田舎に行ったみたいで、自然がすごくきれいで、川で泳いで遊んだりしたそうです。 すごく日本が気に入って、またぜひ行きたい!!って嬉しそうに話してくれました。 日本好きな人って、”日本人来たー!!\(^▽^)/”って感じで、ほんと目を輝かせてお話してくれるので、こっちも嬉しくなりますよ♪ 館内の写真を撮ってもいいか彼に聞いたら、他の美術館の作品を借りている特別展は撮影は禁止だけど、MFAの所蔵品の部屋とかホールはOKとのことでした。 なるほど~。 MFAはそれほど巨大な美術館ではないので、観てまわりやすいのです。 気持ち駆け足でヨーロッパ・アメリカ美術、工芸品などのギャラリーへ。 やっぱり芸術はいいですね。 優れた作品の中に囲まれてると、心が洗われるみたいな感じがします。 途中レクチャーしてるところに遭遇しました。 いっしょに聞きたいなあ。。 後ろの人が座ってるパイプ椅子は美術館の備品で、絵の前でスケッチする人が使ったり、ひと休みしながら絵を鑑賞したい人が自由に使えるんです。 他の美術館でこういうの、あんまり見たことないけど、すごい便利です。 O'Keeffeって、私は本人も絵もそんなに好きではないのですが、どういうわけかアメリカで見ると印象的で惹かれてしまうのです。 アメリカ人の女の子で憧れている子も多い気がします。 取り憑かれたみたいに絵の前から動かない女の子、たまにいます。 ゴーイングマイウェイなところにカリスマを感じるのかな? アメリカ女性の中で理想とされる生き方のひとつなのかもしれません。 なんか私の中ではマドンナとかぶるんですが。 意外に早くまわり終えたので、時間的にEmmanuelに行けそうです。 素敵なものがいっぱいあるショップに寄ってみよう。 ここのショップはまるでアラビアン・ナイトの宝物の箱みたいに、綺麗でワクワクするものがいっぱいなんです。無闇な衝動買いに気をつけないと。。 カードやノートが可愛いなあ。。 もう来年用の手帳が出てます。 古い装丁された本みたいな表紙の、マグネットで閉じる豪華なダイアリーがあって、来年用にどうかな?って思ったけど、ちょっと雰囲気が固すぎてやめました。 細いリボンにドロップ型の茶色い石がついている珍しいネックレスをつけてみたら、可愛かったのでつい。 そんな高くないからいいかな??(←欺瞞) カフェに行きたかったんだけど、結局時間がなくなって、急いでEmmanuelへ。 (そういえば、2階のレストランのクラムチャウダーは絶品でした!食べたかった。。) ここは大好きでよくスケッチに来たところで、水辺の景観がとっても綺麗な公園なんですが、雨が降りそうで今日はあんまりラブリーに見えません。残念!! Emmanuel Collegeに着くまで、なんとなく恥ずかしくって参加しようかどうしようか迷ってたのですが、カフェのある建物にいっぱい人が集まってるのを見たら、行こう!って思いました。 入口でプログラムみたいなのを配ってる方に、 「以前交換留学生でここに来てたんですけど、講演聞いてもいですか?」 って聞いたら、 「もちろん!!」 って答えが返ってきたので、いそいそと中へ・・・って、コレ、始業式じゃないの?! おいおい!いいのか私? ・・・まあせっかくなので座っとこう。 と若者の中に席を見つけて座らせてもらいました。 プログラムには“CONVOCATION”と書いてあって、日本に帰ってきてから調べたら、集会とか聖職会議とかいう意味でした。 どうやら新しい学期(アメリカでは9月が始業)を始めるセレモニーみたいです。 歌とお祈りで始まって、学長さまからの言葉です。 なんと学長さま、16年前と同じシスターなのですが、この学校がここまで発展してるってことは絶対経営上手に違いない。シスターなのに。 こんな立派な体育館建っちゃってるし、昔は留学生や黒人のスポーツ奨学生も多かったんですが、今はアングロサクソンな子がほとんどです。 共学になったのも関係してると思うけど、全体的に雰囲気が明るくなった。 学長さまの言葉で印象に残ったのは、 「一生新しいことにチャレンジしつづけること。大切なのは”Everlasting Studying”。」 という一節でした。 私の卒業した大学も同じノートル・ダム修道会の姉妹大学なので、「学ぶことを通じて、人格を高める」という基本理念は一緒です。 だから同じスピリットを感じて、居心地よく感じるのかもしれません。 「学ぶ」ということを、魂の質を高めるための一種の芸術として、真摯に取り組むという雰囲気は、同じ「学問の場」であっても、私が働いている国立大学では感じられないものです。 ほんといい大学で勉強させてもらったんだってわかったのは、卒業してからです。。 メインのT.R.Reidさんの講演の前に、紹介がありました。 Washington Postの政治・国際関係を長い間担当されていて、日本の支局長もされていたそうで、在日本経験も長く、著書も多数、ラジオのコメンテーターもされたりと、かなり有名な方みたいです。。 拍手と共にReidさん登場。ゲストもガウンをつけています。 登場するなり、みんなに質問されました。 「この中で2010年のクラスの人は?」 (アメリカでは学年ごとに、卒業年をつけたクラス名で呼ばれるので、これは1年生のことです。) たくさんの手があがったのを見て、 「すばらしい!あなたたちはこの中で一番価値ある存在です。なぜならFreshmanだからです。」 とお話を始められました。 (Freshmanは大学の1年生や、新人、新入生のことです。) Reidさんは、新しい考え、エナジーを持っているFreshmanが一番大切だってことをすごく強調されてました。 なぜなら、初めての人にしか気がつかないことがあるからだそうです。 例えば、マイクロチップを開発したのはジャック・キルビーという方なのだそうですが、彼がマイクロチップの開発を始めたのは、入社して間もない時だったそうです。 その当時、“配線=ワイヤー”というのが常識だったそうですが、彼は, “Why do we need all wires?” という疑問を抱いて、ワイヤーを使わずに配線ができないのかという質問を他の人たちにぶつけていったそうです。 もちろん、それを聞かれたほとんどの人たちは、「新人が何を言ってるんだ?」「何も知らないくせにバカなことを言うな!」と口々にけなしたそうです。 しかし、彼の直属の上司は、 「研究してみなさい。失敗したところで君にはなくすキャリアはないんだから。」 と言って、彼に自由に研究をさせてくれたそうです。 その結果、ワイヤーをつなぐ配線ではなく、金属を「スタンプ」して一度にすべての配線が作られる、現在のマイクロチップが生まれ、ジャック・キルビーはエジソンと並び賞されるほどの名声を得たのだそうです。 「初めての人にしかできない質問がある。その質問を受け入れる人がいる。 何が起きているか質問しつづけるのは、最もすばらしい生き方のひとつです。 そして人と関わっていくこと、友情に恵まれていること、そういったこともとても大切です。」 と、お話を締めくくられました。面白かった。。 堅い話ばっかりでなく、随所にジョークもおりまぜつつの、楽しい講演でした。 本の世界ではクリスマス商戦がもうはじまっているそうで、「クリスマスのプレゼントにぜひよろしく!」と、出版されたばかりの著書の宣伝もお茶目にされてました。 講演が終わってから、質問タイムになりました。日本に関係した質問が多かった。 「アメリカが、日本の良いところをアメリカらしさを残して学ぶことができますか?アメリカについてどう思いますか?」 という学生さんからの質問に、 「日本はとてもダイナミックな国。 新しく変化しつづけているし、日本人もそれを気に入っているようですが、日本にはまだ儒教の影響が多く残っています。 アメリカは、とても独自の国。変な大統領を選んでも、自分たちはなんとか国を回復させられると信じています(一同爆笑)。 政府を決めることができるとか、自分の権利を大切にすることとかが、アメリカ人にはすごく大切です。 ただ世界の他の国に注意を払う人が少なすぎる。 ファンダメンタルなところは、日本もアメリカも変わっていません。 だから、文化のエクスチェンジが大切だということです。 残りの世界はシェアするウィスダムに満ちています。」 って、答えられていました。国際経験の豊富さを感じさせる言葉で、素敵だなあって思った。 講演会の後、ますゲストと先生方の退場です。みんな一応キャップ&ガウンをつけてるんですが、下は極端にカジュアルそうなのがありありです。アメリカっぽいです(笑)。 さすが外人はこういう格好が似合うなあ。。 そして同じくキャップ&ガウンをつけた4年生が後に続きます。 そして最後に残りの人が解散。 若者はやはりダルそうでした(笑)。 貴重な経験でした!楽しかった。
by songsforthejetset
| 2006-11-12 23:14
| 旅
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