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芍薬

お花は何でも好きなのですが、特に好きなのは、うすいピンクや白やアイボリーの花びらが多い花です。
中でもすごく好きなのは、オールド・ローズっぽいバラとしゃくやくです。
バラは一年中どの時期でも楽しめるけれど、しゃくやくは今の季節以外にはあまり見ない気がします。

毎年この時期になると必ず、ピンクがかった白のしゃくやくをお花屋さんの店先に探します。
薄い薄い繊細な花弁が幾重にも折り重なって、清楚なのに豪華で、私にとっての"幸せ"や"美しさ"が形になったような花です。
ほんとに大好き!

先日ハローズに買い物に行ったところ、お花売場に濃いピンクのしゃくやくがありました。
あ!!しゃくやくだ!
って値段をみてみたところ、30円!
日にちが経ったものが、一束¥298→¥30と豪快にディスカウントされていました。
4束あったので、買い占めました!

わ~い!しゃくやく買っちゃった~!って家に帰って、台所の流しで水揚げしていました。
そしたら!!

芍薬_c0089310_6324188.jpg買ってきた中にはつぼみのものもあったし、わりと開いていたものもあったのですが、それが一斉に咲き始めたのです!
私が見ている目の前で、どんどん花びらがほころんで、ほどけて、大輪の花が咲いていきます。




芍薬_c0089310_6334273.jpg目に見えるほどのスピードではないですが、でもこんなに一気に花が咲くのをみるのははじめてでした。
晩ごはんの支度をしている最中だったのですが、それどころではなくって、私はドキドキしながらずっと見ていました。




芍薬_c0089310_6344895.jpgビニールのフィルムに包まれていた時にはわからなかったけれど、もうお花の内部では、充分咲く準備ができていたのだと思います。
それが解き放たれて、お水をいっぱい飲んで、本来のあるべき姿になったんだろうと思いますが、とってもドラマチックでした!



これは写真を撮っておこうと思って、たくさん撮影しました。
その間もどんどんお花は開いていきます。
一体どこまで開くんだろう。。って思っていたら、ある程度のところでストップしたので、ちょっと安心。

芍薬_c0089310_6355814.jpgでも、もしかして次の日に仕事から帰ってきた時には、散ってしまっているかもしれないと思ったので、早起きして朝の光で写真を撮りました。
朝日を浴びてなんだかうれしそうなしゃくやくです。





花の種類にも、ひとつひとつの花にも、咲き時ってあると思うのです。
たまたまこの花たちは、今が咲く時だった。
いい条件を与えられた時に、咲く準備がお花の中でできていたから、こうやって一気に花開けたのだと思います。
まるでさなぎが蝶々になるように。

桜のつぼみも、来年の春のために今から準備して、暑い夏と寒い冬を乗り越えてはじめて咲ける。
セミの幼虫だって、何年も知られずに暗い土の中でじっとしててセミになる。
美しい花を咲かせるお花の球根も、地中から明るい地上までに出てくるまで、誰もそこにあるのを知らないのです。

私たちも時に、まるで人生が行き詰まったように感じる状況に立たされることがあるけど、それは「やがてくる未来」への準備期間なのだと思います。
自分のための場所が与えられた時、大輪の花を咲かせる準備を今のうちにしておきなさいっていうサインなのではって思います。
傍目にも自分にも”停止”しているようにしか見えなくても、すべては未来に向かって、常に変わりつづけています。
「悪いこと」と思える状況が、次に起こる「いいこと」をつれてきてくれるのだと思います。

外からはわからなくっても、このしゃくやくの内部では、もうお花ができていた。
自分の場所を与えられた時、一気に花が開いて、その美しい佇まいと香りがあらわれました。
もしかしたら、すぐ散ってしまうかと思ったけど、4日たった今でも生き生きとそのまま咲きつづけています。
遅咲きの花の命は長い?(笑)。
芍薬_c0089310_6391037.jpg
by songsforthejetset | 2007-05-11 06:38 | つれづれ
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