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安藤忠雄講演会「文化の力」

27日の夕方に、大原美術館主催の安藤忠雄さんの講演会に行ってきました。
30分前に着いたのに、倉敷公民館はもうほぼ満員!
開演直前には、左右の通路にも立ち見の方がぎっしり、中央通路も坐り見(?)の方で埋まるなど、すごい状態でした。
さすが世界の安藤です・・・。

最初に主催者の方がこの講演会のシリーズの説明をされたのだけど、なんと社会福祉事業として105年前から続いているそうで、今回が127回目とのことでした。
大原孫三郎グレートです・・・。

安藤さんを生で拝見するのははじめてで、小柄な方だったのでびっくりでした。
すっごく真面目な講演会を予想していたんだけど、大阪生まれの大阪育ちという安藤さんのお話は、30秒に1回は笑い(ネタ)が入るという、観客みんなが楽しめるものでした!

スライドを多用して、安藤さんが初めて手がけた住宅(今は安藤さんが買い取って、安藤建築事務所になっている)や、ヴェネツィアの現代美術館、表参道ヒルズ、サントリー美術館、直島アートサイトなど、今までのお仕事をいくつか紹介。
なんかヘンテコリンな合成写真をご自分でつくられてて、しっかり笑いもとるんです。。。
忙しい合間の遊び心なんでしょうか。

それに、今進行中のプロジェクトのいくつかを紹介。
・ドバイに建設中の海洋博物館
アブダビで、フランク・ゲーリーなどの世界的な建築家に設計を依頼した、ひとつ100億の美術館や博物館が、今いっぺんに5つ建設中だそうです!
さすが石油の国というか、桁が違いますね。。。
安藤さんは海洋博物館の担当で、海の上に作って、海中も展示につかうと言われてました。
想像するだけでファンタスティックです。

・大阪の中之島公会堂の改築案
古い公会堂の建物を残して、中に球体(卵型)の400人収容のホールを作るというもので、老人が卵を抱いているイメージだそうです。
でもこれは案にとどまりそうでした。入ってみたいけど。

・大阪の全長15kmの桜の通り抜け
5万人から寄付金(1万円)を集めて、大阪の街に桜の超長い並木を作るプロジェクトです。
寄付してくれた方の名前のプレートをつけるので、お墓がわりにする方もいるとか。あと9千人で達成だそうです。
完成したら綺麗でしょうね!

・幕張のメモリアルパーク
松下の社長さんから、幕張の本社予定地だったところを桜の公園にしてほしいという依頼があって、広大な敷地に1万本の桜の若木を植樹。
あまり知られていないので、お花見には穴場だそうです。
桜と池だけの、不思議でシンプルな公園でした。

などなど、やっぱりご本人の口から紹介されると、どんな意図があってこうなったのかがよくわかります。
遊び心と夢が結集したものなんだなあっていうのが、安藤さんの語り口から伝わってきました。

あと、講演の中で印象に残った言葉です。

・文化で人が外に集まってくる。
・若い人が命がけで勝負をしているうちは、いい!
(安藤さんの違法建築(?)を当時の大阪市長さんが、こう言って許可したそうです。)
・面白い人が出てこなければ、街ができない。
・人間と人間がつきあうのに、職業は関係ない。
・勇気と想像力が大事で、夢と現実のギャップが大きいほど面白い。
・お金の問題でなくて、人生をいかに豊かにするかを考える。
・人も物も生んだら育つ、というものではなくて、育てていかないといけない。
・何でもあきらめてはいけない。
・美しい日本、二度とつくれないものを持っていることをプライドにするべきで、次の時代はこう生きるんだということを形にしたのが大原美術館。

講演のあいだ、からっと明るくて、迷ったり思いまどんだりしない、天衣無縫でチャーミングな安藤さんのパーソナリティーに、観客はひきつけられっぱなしでした。

どんな世界でも、多くの人をまとめることができる人っていうのは、例外なくチャーミングです。
チャームって、日本語だと魅力とか愛嬌って訳されるのですが、なんか英語独自のニュアンスがあるんです。

この人をもっと見ていたい、この人といっしょにいたい、この人と関わりたいって人に思わせるチャーミングさは、人の上に立つ人に必要不可欠なものだと思います。
小澤征爾や田中角栄なんかはすごいチャーミングだと思うけど、安藤さんもそんな方でした。

こんな人のそばで働いてみたい!って思って、公民館を後にして、(大阪までだったら通えるけど、絶対死ぬほど忙しいよな~。情熱大陸で事務所が紹介されてたけど。。。)とか考えながら、ライトアップされた美観地区を散歩してました。

公民館の前まで帰ってきたら、もうお客さんが帰ったあとの玄関に、あら!安藤さんと7、8人のグループを発見。
主催者の方々と、これからお食事にでも行かれるご様子でした。
近づける雰囲気ではなかったんですが、そこはあえて気にせずアタックで、サインをお願いしてみました。

手帳にサインをしていただいてる間に、ものは試しで、
「安藤さんの事務所で、事務の人を募集されていないですか??」
って聞いたら、
「いや(笑)!!うちは働くところじゃないよ~!!」
って笑われてました。やっぱり。。。

もちろんそんな返事が返ってくるのが当然なんですが、これで私がすごい安藤ファンだったら、それでもってくいさがってたところです。
だってめったにないチャンスだし。

しかし他の方々はもう先に歩いていかれてて、これ以上お邪魔するのも悪いので、そこでやめときました(←ちょっと残念)。

グループの後を追われてる安藤さんに、
「今日はいいお話をありがとうございました!」
ってご挨拶したら、振り返ってかわいく手を振ってくださいました。
グレートです巨匠・・・。

家に帰ってネットでみてみたら、安藤さんは建築家になる前はなんとプロボクサーをされていたそうで、リングネームは「グレート安藤」(笑)。
世界の巨匠はやっぱりグレートでした♪
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by songsforthejetset | 2006-07-29 10:13 | 建築 | Comments(0)

Frank Lloyd Wright

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F.L.ライトは、いちばん好きな建築家のひとりです。

はじめて名前を知ったのは、中学生の時、サイモン&ガーファンクルの「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」でした。
曲が好きだったので、誰だろう??って調べてみたのがきっかけです。

幾何学的で、横に伸びるその独特の建築様式は、アメリカの一般住宅の基礎になりました。
ブロックを積み上げたように数学的なデザインは、都会的なのに不思議と自然にマッチします。
代表作の落水荘なんかはその典型といっていいかも。

建築が大好きな私なんですが、まだライトの建築の中に入ってみたことがありません。
ライト建築があるのはアメリカがほとんどです。
私はヨーロッパにはよく行くけど、アメリカにはずっと行ってないので、なかなか訪れる機会が無くって残念です。。。

先日、アメリカに行ってこられた先生が、おみやげを下さいました。
箱に入ったシックな色合いのカードのセットで、表には和紙が貼ってあります。
へ~きれい。
って思ってカードを開けると、なんと、飛び出すライト建築カードでした!
ほんとびっくりした。。。

見事に立体でライト建築が表現されています。
っていうかこれ考えた人すごいです。
開いた状態でケースに入れて飾っておきたいくらい。

その先生と、ライトの話したことがあったかもしれないけど、覚えていて下さったのがすごいうれしかったです。
しかもこのカードは絶対お値段高い。。。
アメリカは大量生産のものは安価ですが、ちょっとハンドクラフトっぽいものになるととたんに高くなるのです。
また何かでお返ししようっと。

シカゴのライト建築も回られたそうで、写真を見せていただきましたが、2枚「なんちゃってライト建築」が写っていると言われて、でも当てられなくって残念でした。
でもライトって最初のほうは全然ライトっぽくないしな。。。(負け惜しみ)

カードはロビー・ハウスとオークパークの2種類がセットでした。
ロビー・ハウスは建てられたのが100年くらい前なんですが、そんな感じはまったくしない、モダンな建物です。
ライトのプレーリー・ハウスの代表作です。

オークパークはライトの住宅とスタジオがあった建物です。
和紙を使った間接照明を多用していたり、子供部屋のアラビアン・ナイトがテーマの壁画は、線の単純化に日本の浮世絵の影響もあると言われている、ライトの日本趣味をうかがわせる建築なのです。

実際ライトは何度も来日していて、倉敷も訪れています。
アメリカとカナダ以外にライト建築があるのは、日本だけって聞いたことがあるので、よっぽど日本が好きだったのかもしれません。

「美しい建築は、最良の技術による芸術品である」
っていうのはライトの言葉ですが、私も同感。
なんで建築が好きなのかというと、中に入れる芸術品だからです。

ライトは今でこそそのモダンで独特なデザインに人気があるのですが、活躍していた時代には、斬新すぎてちょっとキワモノっぽい扱いをされていたようです。
だから公共施設の設計が少ないんだそうです。

そういえばアメリカの公共施設には、マッキム&ミード設計の建築に代表される、ギリシャ・ローマ調の新古典主義っぽいデザインのものが多いです。
ライトとは反対ですね。。。

そのかわり個人住宅で思い切り冒険してたみたいです。
落水荘、行ってみたいな。
それに何といってもジョンソン・ワックス・ビル!
いつか絶対行きたい。

あと神戸にも、現在ヨドコウ迎賓館になっている、旧山邑邸が公開されているそうです!
こっちはすぐ行けそうなので、いつかぜひ。

そんなライトは、幾何学的で計算されつくした建築とは裏腹に、人生の方は相当多難です。

お母さんがすごい教育ママ(ライトの幾何学的設計の原点は、子供の頃に遊んでいたフレーベルの積木にあると言われています)で、子供の時からすごいプレッシャーを感じて育ったため、大人になってから買物依存症になってしまい、その支払いをするために次から次へと仕事をしないといけなかったのだとか。
3回も結婚していて、そのうち1回は悲劇的な事件で伴侶を失っています。
不遇な人生から芸術が生まれることって多いです。

確かライトの特番を録画してたっけ。。。
と思って、探してみたらあった!
私の中では「最近」録画したと思っていたのですが、なんと94年の番組でした。。。
時のたつのは速い。

ライト建築を訪問したもので、非公開の個人住宅の内部もいっぱい映っているすごくレアな番組です。
その頃はライトがブームでも何でもなかったのですが、住宅会社提供の番組なので、とっても詳しく紹介されていて、映像もキレイ。
ナレーションとレポーターは吉永小百合さん(美しい)!

こういう番組って、再放送されないので貴重です。
とっておいてよかった。。。c0089310_5594473.jpg
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by songsforthejetset | 2006-04-19 22:40 | 建築 | Comments(0)

知るを楽しむ『旧前田侯爵邸』+綱町三井倶楽部

今日は『知るを楽しむ』の旧前田侯爵邸の回でした。

やっぱりこの番組はいいですね。
昨今のクラシック建築ブームに加え、戦後60年ということもあって、こういった番組が企画されたのではないかと思うのですが、ビバNHKです。

実際そこに住まれていた前田家の方も登場して、当時を振り返ってお話をされていましたが、やんごとなき方たちにとっての戦後の苦労が、大いに偲ばれるものでした。。。
広い洋館だからということで、いきなり家が米軍に接収されたり、華族は財産を70~90%(!)も税金として取り立てられたり、まるで太宰治の「斜陽」そのままです。
欲を言えば、もう少し前田家の人々をクローズアップしてほしかったな。

来週は、日本のクラシック建築はこの人抜きには語れない、ジョサイア・コンドル設計の「綱町三井倶楽部」!

ラッキーなことに、昨年いとこの結婚式が行われたのがそこでした。
ずっと一般には非公開で、なかなか内部を見ることが難しいと言われていた建築だったので、私は大喜びで出席のハガキを出したのでした。
(ちなみにそのいとこには2回しか会ったことがないのですが。。。)
そして結婚式よりも、建築を見ることのほうに夢中になってました。

興味があるところに行く時には、必ず下調べして行きます。背景とかいろいろ。
知識があって見た方が、絶対楽しい。
図書館で、綱町三井倶楽部の歴史なども調べて行ったので、話をしたスタッフの方がとても喜んで下さいました。

歴史的な建築物の中で働いている方は、その建物にとっても愛情を持たれていることが多いので、こちらも同じように「好き」な気持ちを持っていると、喜んでくれるし、わかってもらえるんです。
これは日本も外国も同じです。

そんなに好きだったらと、一般には非公開のバー(そのコレクションは東洋一と言われています。)やワインカーヴも見せて下さいました。
ワインカーヴの訪問者のサイン帳には、各国のVIPや総理大臣のサインが。。。
すごいです。

東京オリンピックの開催を審議する会議が開かれたのがここで、その最終決定に一役買ったのが、このワインカーヴの中の1本のワインだという伝説があります。
(来週の番組でも紹介するかな?)

”満足なワインもない日本で、オリンピックが開催できるものか”と反対する外国の審査員に、当時のIOC会長がこのカーヴから貴重な1947年もののシャトー・ディケムを持ってこさせ、それが東京オリンピック開催の決定打になった、という伝説です。

ほんとの話なんですか?って訊ねると、実際にシャトー・ディケムが並んでいる棚を見せてくださいました。
年季の入った瓶が並ぶ中、1947年のだけが抜けていました。。。
その時乾杯に使ったからだそうです。
実際手にとって見せていただいて、感無量でした。

東京にはたくさんのクラシック建築があるので、ほんとにうらやましい。そしてきちんと保存されて愛されているのを見ると、なおうらやましくなります。
旧中国銀行本店は、間違いなく素晴らしい建築のひとつでした。
ほとんど芸術品と言ってよいくらい。
なのに。。。
あれを壊してビルを建てるなんて、ほんとにほんとに残念でした。

来週もまた楽しみです。テキスト買おうかな?
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by songsforthejetset | 2005-08-10 23:30 | 建築 | Comments(0)

知るを楽しむ『第一生命館』

さっきTVをつけたら、偶然にも面白そうな番組がはじまったところでした。

NHK教育の、「知るを楽しむ・なんでも好奇心」という番組で、終戦後GHQに接収された建物の特集を、これから4回に渡って放送するそうです。
クラシック建築と白州次郎が大好きな私のテンションは急上昇!です。
なかなかやるなNHK。。。

第1回目は“旧第一生命館”。
GHQ総司令部が置かれていた建物です。
去年東京に行った際に、マッカーサーの執務室を見ようと訪ねたのですが、なんとテロ対策のため、一般公開は当分の間中止とのことでした。残念。。。

番組の中には、旧第一生命館の他に、フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルも登場していました。
なんて素晴らしい建築なんでしょうか!
あれを解体してしまったなんて、信じられない。。。
もともとゆるい地盤の上に建てた上に、雨にもろい大谷石を使ったので、老朽化が激しくなってしまっtて、50年も経たないうちに取り壊しとなったそうですが、今なら世界遺産になっていてもおかしくない建築だと思います。

そして、この番組の次回は、“旧前田侯爵邸”!!
私が建築をたくさん見てきた中でも、ここは特別にすばらしい場所だと思います。

駒場公園の中にあって、時々ドラマのロケなどにも使われているので、外観は見覚えのある方も多いと思うけれど、このお邸に私が感動したのは、内部の空気でした。。。
なんというか、そこで暮らしていた人達の、高潔で気品ある精神が、時を超えていまだ空間に満ちている感じなのです。
いろいろなお邸を見てきたけれど、ここまで強いスピリットを感じたのは初めてでした。
TVで特集してくれるなんて嬉しい。とても楽しみです。

クラシック建築ついでに言うと、旧第一生命館の並びに“三信ビル”という、明らかに異彩を放っている、クラシックなビルが建っています。
外観のかっこよさに惹かれて、つい入ってみたらこれが大当たり!でした。

内部はまるでパリのパッサージュみたい。
ほの暗い照明の中、バルコニーから見下ろす吹き抜けの廊下には、お店やレストランが入っています。
中央には40年代のハリウッド映画に登場しそうなエレベーターホールがあって、クラシックなエレベーターからは、ジェームス・スチュアートが降りてきそうです。

古き良き時代を感じさせる、素敵な建物なのですが、なんとこれも解体が決まってしまったそうです。
なんとか保存できないのでしょうか。悲しい...。
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by songsforthejetset | 2005-08-03 23:30 | 建築 | Comments(0)