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日本微生物生態学会・市民講演会&サイエンスエンターテイメントと映画「Eternal Return」


22日に開催された、日本微生物生態学会の市民講演会がとてもすばらしかったので、感想を書いてみます。

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講演会のタイトルもユニークでした。

 日本微生物生態学会 横須賀2016併催
 市民講演会&サイエンスエンターテイメント
 「サイエンスは最高のエンターテイメントやDay!
  ~大きな海と小さな微生物がくり広げる話を聞きに来ませんか?~」


プログラムはこちらから。
http://www.microbial-ecology.jp/meeting/JSME2016/PublicSymposium.html

講演会の最後に、上坂浩光監督の「Eternal Return」という映画の上映があったのでお伺いしたのですが、その前のプログラムもとても面白そうだったので、1時の開宴から参加しました。

最初に、横須賀の吉田雄人市長からのご挨拶。

横須賀でこういった学会の大会が開催されるのは、意外にもほとんど初めてのことなのだそうです。
これから誘致などもしていきたいとおっしゃっていましたが、中心部の駅から歩いて10分で会場に着けるので、すごく便利だと思いました。


その後に先生方の講演がありました。

普段あまり触れることのない微生物や海の研究のお話は、どれもとても面白くて、メモを取るのが忙しかったほど。

特に印象に残ったのが、吉澤 晋先生と、平 朝彦先生のお話。


吉澤 晋先生は、光る海の生物についてのお話でした。

なんと500m以上の水深の生物の90%が光るのだそうです。
そして、お店で売っている、イカやホタテ、イサキなど、海産食品の多くも光るそう。
20℃の暗室に置いておくと、15時間くらいで光りはじめて、時間の経過とともに光が強くなっていました。
小学生の自由研究にもすごくいいのではと思いました(実験に使ったものは食べないほうがいいそう)。

こういった光っているイカや魚を、鳥が夜くわえて飛んでいるのを見たのが人魂ではという説もあるそうです。

チョウチンアンコウが光を出している映像はとても珍しく、チョウチンアンコウ自体も手に入れるのがとても困難なので、見つけたらぜひ連絡してくださいとおっしゃっていたのが印象的でした。


平 朝彦先生は、三浦半島の城ヶ島の地層がどれほど素晴らしいかというお話でした。

北原白秋の「城ヶ島の雨」が有名ですが、死の淵にいた白秋を救ったのは、三浦半島の地層のパワーもあるのではとのこと。

城ヶ島の地層は、黒(火山噴出物でできたスコリア層)と白(火山灰層)にきれいに分かれていて、断層もはっきり見えるのが特長だそうで、とても綺麗でした。
「曲がった地層 神奈川県・城ヶ島」
 

日本は4つのプレートが会合している世界唯一の場所で、その中心が三浦半島なのだそう。
房総半島と三浦半島は、世界でほかにない特徴を持った場所(火山列島の衝突とおっしゃっていた気がする)とのことで、なんだかすごく納得しました。

地層愛が伝わってくる平先生のお話を聴いて、城ヶ島に行ってみたい!と思った。


この会を企画なさった、高井 研先生のお話も、とても楽しめました。
お話とパワーポイントの量が多くて、メモがついて行けないほど。

「海を知り、地球を知る。そして未来を知る」
深海の熱水噴出孔(チムニー)で生まれたと言われている生命。

土星の衛星・エンセラダスにも海があり、生命が存在する可能性もあると言われています。
クローズアップ現代「ついに発見!?地球外生命に挑む科学者たち」

エンセラダスの生命探査には、500~1000億円かかるけれど、今まで誰も解けなかった最大の謎、生命の起源が解ける。
海には生命の起源や、地球外生命の存在を解く鍵がある。

実際研究なさっている方からお話を聴くのは、とてもエキサイティングでした。


先生方の講演の合間に登場して、素敵に次へとつないでいたのが、

コント「未知のヨコスカとの遭遇」
劇団フォーシーズンズ(シロート) 脚本:花田 智


でした。

一体どんな感じかと思っていたのですが、
「エンセラダスの有人(!)探査船のサンプルリターンが浦賀に戻ってくる」
という設定のちゃんとしたお芝居で、本当に楽しめました。

演じていた皆さんも研究者の方かもしれないのですが、ちゃんと役者さんの発声や動きで、脚本もよくできていて、スクリーンも上手に使われていて、一本のお芝居として観たいくらい良かった。


そして、講演の中の、生命が海底の熱水噴出孔で誕生したというお話とつながる形で上映された、上坂浩光監督の「Eternal Return」

DVDを持っているのですが、大きな画面で観たことがなかったので、今回の上映があってとても嬉しかったです。



大画面で観るとさらに感動。

水に出会う場面の、ストリングスの高音が入ってくるところがすごく好き。
ラストに流れる歌を聴きながら、こういうこと全部がつながって今の自分があると思うと、いつもウルウルします。

会場でも、鼻をすする音や、涙をふいていらっしゃる方の姿があったので、皆さんも感動されていたのではと思います。


こういった学会関連の市民講演会も何度か参加したことがあるけれど、こんなに楽しくてためになる内容だったのは、今までになかったと思う。

専門性が高すぎるお話ばかりだと、観客が???となってしまうけど、わかりやすいお話を多くされていたのがとても良かったです。
それに、途中で演劇がテンポよく入ってくるのが本当に楽しかった。

全体を通じて、主催のJAMSTECの先生方の横須賀愛をすごく感じて、あたたかな気持ちになりました。

学会準備や発表だけで大変だと思うので、その上にここまで充実したプログラムをご準備されるというのは、本当に大変だったと思うのです。
地元と研究内容への深い愛情が感じられた会でした。

そして、今まで微生物ってそんなに考えたことがなかったけれど、こういう世界が自分のすぐそばに(自分の中にも)もあるのだって実感できた講演会でした。

こういった場があるから、研究者の方々の研究が様々な分野に活用されて、生活の豊かさにつながっているということに気づくことができるのだと思うのです。

もしまたこういった講演会があったら、ぜひ参加させていただきたいと思います。

外はもう暗かったのですが、なんだか幸せな気持ちで駅までの道を歩きました。

素敵な会をありがとうございました!
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by songsforthejetset | 2016-10-24 13:58 | 芸術いろいろ | Comments(0)