こんにちわ。 いよいよ12月、総決算の月です。 今年は皆様にとって、どんな年でしたか? この季節になると、思い出す映画があります。 それは、『セレンディピティ』。 クリスマスシーズンの偶然の出来事をきっかけに始まる、ラブロマンスの映画です。 映画も素敵でしたが、わたしはこの映画で、セレンディピティという言葉をはじめて知りました。 セレンディピティ(serendipity)は、 "偶然の幸運をつかむ能力"のこと。 もともとは、小説家のホレス・ウォルポールが1754年につくった言葉なのだそうです。 彼が子供のときに読んだ、『セレンディップの三人の王子』(セレンディップは現在のスリランカのこと)という童話から、発想を得た言葉だそうです。 ストーリーは、 "3人の王子が旅をする途中、思いもかけない出来事と遭遇するが、その聡明さによって、彼らがもともと探してもいなかった幸運を発見する" というものだそうです。 そんな能力、自分にもあったらいいのにな。。 って思いますよね。 3年前に、脳科学者の茂木健一郎さんが、NHKの「プロフェッショナル」の中で、セレンディピティを高める方法についてお話されていました。 世界に対していつも質問を発すること。 そうすると、脳にすきまができて、そこにピッタリくるものがはまるのだそうです。 そして、いろんな人に会って、いろんな世界に接することで、セレンディピティを高めることができるのだそうです! その時の「プロフェッショナル」では、直感を信じることについても紹介されていました。 直感は、 "今まで自分が続けてきたものから、迷いなく浮かび上がってきたもの"。 だから、壁にぶつかったり、重大な決断を下す時には、自分の感情に聞くこと。 そして、人生では"イケる"という直感を持てた時に、何も考えずにダーッと行ってがんばることも大事だと紹介されていました。 直感を信じる。 直感には、 "今までの経験、価値観、想い" が、総動員されているのだそうです。 脳が、自分の今までの経験からはじき出した、ものすごい大きな情報量がつまっているので、コンピュータなんかは足元にも及ばないのだそうです! 人間ってすごいですね。。 偶然の幸運をみつける能力を伸ばすには、 「直感を磨くこと」。 だから、その直感を生み出す土台となる、 「自分の中の経験や情報を増やしていくこと」 が大切なのですね。 そして、いちばん重要なのは、 「目の前にある事実を、"良いもの"として、意味づけしていくこと」 なのではないかと思います。 何でもないことを、"ラッキー"ととらえる気持ちが、セレンディピティを育てるのだと思うのです。 動いて、いい意味づけをする、その繰り返し。 そういった努力の中に、偶然の幸運はやってくるのだと思います。 きっと、皆さまの2010年にも、 たくさんのセレンディピティが待っています! どうぞよいお年を。 イラストレーション 濱中さつき(ツールアシスト) ************************************* ツールアシスト発行のニュースレター"Ca・et・La(サエラ)"12月号に書かせていただいたエッセイです。 セレンディピティって、特に最近よく聞かれるようになった言葉ですね。 今年で120周年を迎えた帝国ホテルの、開業120周年スローガンも、 "~セレンディピティ~ 伝統は次をひらめく"なのです。 帝国ホテルが歩んできた120年の時は、単なる時間の積み重ねではなく、“お客様との幸運な偶然の出会い”の連続であり、いくつものセレンディピティのひらめきが歴史を紡いできた、という考えのもとに生まれたスローガンなのだそうです。 なるほど~。 めっちゃ納得しました。 本来の目的と違うものから、偶然にさらに価値のあるものにたどりつくのが、セレンディピティ。 わたしの今年も、セレンディピティがいっぱい起こった年でした。 わたしが自分に必要なことにたどりつけるように、また、わたしを必要としている人のところにわたしがたどりつけるように、だれかが用意してくれたセレンディピティの飛び石をピョンピョンと飛んで今に至ったような、わたしの2009年でした。 セレンディピティが起こるときは、セレンディピティのことなんてまったく忘れている時。 無欲で頭の中がニュートラルな状態になっている時。 "これをしたら、ここに行ったら、いいことがあるかもしれない"という期待がまったくない時。 そんな時に、突然目の前にあらわれます。 不思議と今、自分が追いかけているものではなくて、前にすごく好きだったり気になったりしていたものに関することだったりします。 決して計算して出会えるものではなくて、その対極にあるもののような気がする。 だから、心のままに動いていていればいいのだと思っています。 何か別の目的に心を奪われている時、 別の場所に向かっている時、 突然目の前に、 セレンディピティの天使は舞い降りる。 それはほんとうに一瞬。 気がついたときには、もう過去の出来事になっています。 ほとんど無意識のうちにキャッチしている天使は、一見したところ、天使に見えません。 まるでわらしべ長者のわらのように、手にしたときには、それがまさか幸運につながるものだとは思いもしない、脈絡のないものだったりします。 セレンディピティの天使に出会った時には、それが天使だってわかりません。 でも、出会った方や目の前で起こることを大切にして、その瞬間瞬間をしっかり楽しんだり、好奇心を持って進んでいったりすると、いつのまにか、最初につかんだものが天使だったとわかるときがきています。 せっかくその人がそう言ってくれたのだから、と思って、人の好意や言葉を大切にして動いたときにも、セレンディピティは起こったりします。 セレンディピティが起こるときや、セレンディピティをくれる人は、なんだかキラキラして見える。 自分もなんだか楽しくて、幸せな気分の時です。 だからそういう精神状態をいつもつくっていれば、セレンディピティも起きやすくなるのだと思います。 楽しく幸せな自分でいて、人の好意を大切にして、好奇心を持って行動する。 その先には、きっとたくさんのセレンディピティの天使が待っています。 皆様が2010年に、たくさんの偶然の幸運を手にすることができますよう、お祈りいたしております♪
by songsforthejetset
| 2009-12-29 22:53
| 連載エッセイ
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