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2011・神戸コレクションplus  ファッションショー編


先日、神戸コレクションplusに行ってきました!


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神戸コレクションと時を同じくして開催されるこのイベントは、ひとつの会場の中でファッションショーや、様々なブランドの展示やイベント、パーティーが楽しめるという豪華なもの。

昨年、天満屋の方とマキシンの本社にお邪魔した際に、マキシンの皆さんが、とても素敵なイベントだと薦めてくださいました。
そんな機会も滅多にないので、天満屋倉敷店のわたしのコーナーを担当してくださっている指野さんと2人で参加させていただきました。

ちょっとわたしペンダントのトップが曲がってますが。。
淡水真珠とインカローズをつかった「天の女王 Salve Regina」をつけました。


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会場は、北野倶楽部「sola」
ショー直前です。ドキドキ。。


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わたしたちの席は、ランウェイ前の1列目、前から10番目という、とてもいい席でした。
ちょうどモデルさんが目の前でポーズをとったり、ターンする場所だったので、ほんとうにすぐそこで皆さんの美しさを堪能することができました^^


冒頭に、25ans十河ひろみ編集長のお話がありました。
25ansは、「神戸スタイル」を提案して31年になるのだそうです。

この、「神戸コレクション」というファッションのイベントが始まったのは、16年前の阪神・淡路大震災の後に、「ファッションを通して神戸に元気を取り戻す」ということがきっかけになっているのだそうです。

いま自粛ムードが広がっていて、日本全体が元気がなくなっている印象だけれど、小さくてもひとりひとりできることを続けて行くのが大切。

1日も早く日本を元気に。
世の中に「夢」欠かせない。
ファッションを通じて夢を伝えたい。


と、熱意を持って会場に呼びかけられていました。

25ansは、WFP(国連世界食糧計画)を通した支援活動を続けられているそうです。

続いて、WFPの横手仁美事務局長が、どんな活動に募金が使われるのかというお話をされました。
被災地へのプレハブ設置で、支援物資を保管する場所や地方自治体の活動拠点を作られているのだそうです。
会場にも募金箱が設置してあり、皆さん募金なさっていました^^


そしてその後、ファッションショーが始まりました!
ショーの様子はこちら
ブランド一覧はこちら

ブランドごとの感想を書いておきますね^^
あくまでも、わたしがその時に感じてメモした印象です。

JIL SANDER NAVY
快活でアップテンポな曲にのって、
夏のサントロペの浜辺を歩く。
はずむような若々しさ。

BARNEYS NEWYORK
フラワー、マキシ、60年代のヒッピースタイル。
モデルさんがみんな髪に花をつけています。
フリー、ピースという言葉がぴったり。

2番目の曲が流れたとき、すごくよかった。
あたたかな日射しの香りがするステージから感じる、あふれるほどの自由と美しさに、涙が出るほど感動しました。

3月11日の震災以来置き去りにされていた感覚。
今こういう時期だから余計に、いちばん感動したところでした。

自由とは、安全であること、健康であること、財産があること。
もしそうでなくても、そのことにとらわれないこと。
そして立ちあがって、前を向いて、まだ見ぬ世界へ歩を進めて行けること。

そんなふうに感じました。


25周年を迎えた25ansウェディングのコーナー
3つのブランドが制作するウェディングドレスのご紹介。
相磯恵実編集長が、 

結婚式は2人にとってのけじめであり、周りの方への感謝を伝えるかけがえのない一日。
そんな日にふさわしいドレスを形にしたいという思いで、いずれも1点ものの、それぞれのブランドが心をこめて作ったドレスです。


とご紹介なさっていました。

NOVARESE
白い芍薬の精のような、夢のように美しいドレス。
空気を含んで幾重にも重なる白いオーガンディー。

バレリーナの動きのように、重力から解き放たれたように美しくたゆたう最高級のシルク。
ハートカットの胸元に、きらきらと輝くブレスレットも美しかった。

Hatsuko Endo
ドビュッシーのアラベスクが流れる中、夢のような世界が広がりました。
美の極致といってもいいほど。

手刺繍のレースの上着と、張りのある卵色のシルクタフタが織りなす、気の遠くなるほど手の込んだ美しく繊細なドレス。
チュールとフェザーでできた白いヘッドドレスも優雅に揺れています。

夢の中を歩くよう。
ピンクの口紅がとても美しい。
気品。

高橋真琴さんのぬり絵の女の子が現実世界にいるようで感動でした。
美しいモデルさんは松島 花さん。
ブログにこの時のドレスのお写真もありました^^

家に帰ってみたら、昨年の25ansの松島さんの写真、ちゃんと切り抜いていたし、ハツコ・エンドウは以前のブログにも写真を載せていました。
やっぱり好きなものって好きなんですね^^

The Treat Dressing
タイの王女様のようなヘッドドレス。
スワロフスキーが輝く、チュールレースのエアリーなドレス。
モデルさんの雰囲気ととてもよく似合っていました。

結婚5年目でいらっしゃるというchesty小川淳子さんがお話され、
喜びは2倍、悲しいのは半分
とおっしゃっていたのが印象的でした^^

続いて、ザ・コンチネンタルファミリーというゴスペルグループのミニコンサート。
オリジナルだったのかな?
すごい声量でした!

そしてファッションショーの続き。

Tracy Reese
会場がマゼンタに染まる、印象的な照明からスタート。
ニューヨークのアッパーイーストサイドか、ピッチオーニが音楽を担当していそうな60年代のイタリア映画みたいなイメージ。

JILLSTUART
モデルさんの真っ赤な口紅がとても印象的。
サントロペを歩くブリジット・バルドー。
コケット。
「素直な悪女」のイメージ。
みんな白いリストバンドを2重につけていたので、震災支援のバンドかな?と思いました。

WEDDING SALON INOUE
皇室の方がお召しになるような金糸の刺繍が入った、パステルブルーやピンクの布地のドレスが印象的だった。
ゴールドのバラでドレープを止めていたのが綺麗。

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これは外の廊下をモデルさんたちが移動されている際のもの。
皆さん本当にお綺麗でした!!


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ちゃんとポーズもとってくださって感動。
ありがとうございました!!


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ショーの中で、モデルの皆さんは、わたしたちの前のランウェイを歩き、そこから観客席の中の通路を通ってバックステージへ戻って行きます。

向こうの通路を通られる時、わたしから横顔がずっと見えていて、それがまるでフランス映画の一場面のようで、ほんとうに美しかった。
照明を前から浴びて、ポージングしている姿は、ストップモーションのよう。
まるでビル・ヴィオラの映像作品をみているみたいでした。

ファッションショー全体を通じて、震災以降ずっと忘れていた、「素直に美に感動する心」が刺激されて、涙をこらえるのが大変でした。
隣にいた指野さんも同じだったそうです^^

映画「ショーシャンクの空に」の中で、刑務所の受刑者たちがオペラのアリアを聴いて、その美しさに言葉をなくすシーンが浮かびました。
美は、悲しみに傷つき、疲れた心を潤す命の水。
心の生活必需品なのだと思います。

久しぶりに「豊かさ」を実感した気がしました。
ディオールのニュールックが登場したときの人々の気持ちがわかったような気がした。

戸田奈津子さんが、以前講演の中で、ご自分の若いころを振り返って、

映画館でしか見られない欧米のスターの最新のファッションを、みんな目を皿のようにして見て、家に帰って自分で似せて作ったもの。
物資のまだ乏しい時代だったけれど、みんな工夫して、ファッションを真似て街を闊歩した。
それが「自由」ということだった。


とおっしゃっていたのを思い出しました。

女性が綺麗でいられるというのは、平和がそこにあるということ。
今、こういったきれいなものを見られないでいるたくさんの方々に、はやくこういったものを見せてあげたいと思った。

映画「プラダを着た悪魔」の中で、ファッション雑誌の編集部で働くことに意味を見いだせない主人公に、同僚の男性が、ファッション雑誌をさして言った言葉。

これを何だと思ってる?これはただの雑誌じゃない。
未来への希望の光、夢だ。


本当にそう。
あの中には世界中の女性の夢と希望がつまっています。

私の作品を買ってくださる方も、未来の自分を買っているのだと思う。
「ものをつくる」とは、なんでも、つきつめていえば、「他の人の未来の幸せ」をつくることなのだと思うのです。

すべての素晴らしい創作活動は、「他の人を幸せにし、楽しませ、たくさんの人の未来をひらく」ために生みだされているのだって思う。
たくさんの人の未来の幸せのために役に立つもの。

偶然、この神戸コレクションのエグゼクティブ・プロデューサーの高田恵太郎さんとお話させていただく機会がありました。


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高田さんは、2002年に神戸コレクションを立ち上げられた方。

半年先の洋服を扱い、ファッション業界向けに開催するパリやミラノのファッションショーと異なり、いま手に入れることのできる服を、一般の若い女性に向けて発信するファッションショーで、多彩なゲストが参加することでも知られています。

1995年の阪神・淡路大震災以降、「神戸を元気にしたい」という思いから始められたという神戸コレクションは、今や東京や上海でも公演が行われるほどの人気です。

こちらの神戸学校での講演の動画の中で、
「まだまだ 人間として成長したい」
とおっしゃっていることに感動。

お忙しいのに、会場でお声かけさせていただいたら、気軽にお話してくださったので、すごく感動しました。
わたしのようななにもない小娘にでもさっと名刺を出してくださって、損得なしの人とのつながりを素晴らしいと思っていらっしゃる方という気がしました。
ありがとうございました!!


私が感動することにはいつも、「再生」がテーマとして入っています。
すごいなあと思う方は皆さん、大きな困難を経験していらっしゃる。
そしてそこから立ち上がることで、前よりもさらに大きく成長なさっています。

「再生」は、これからの日本の最大のテーマ。

神戸コレクションが、ファッション文化という神戸の特色を打ち出したものであるように、きっとこれからの日本にも、再生するための特色が必要になってくると思うのです。

人も必ずいいところがあるけれど、じぶんの良いところって、自分では絶対わからない。
だから他から評価されることが大事なのだと思います。

日本だったら、今回の地震で全世界から評価された、他人を思いやる心や、精神性や、誠実さなど。
そういったことに基づいた日本独自の文化を、おじけずに発信していくことが大事になってくる。

あと、こんなに世界が大事に思ってくれているということを実感できたのも、日本にとっては初めての経験だった気がします。

大事に思ってもらえることには理由があり、その理由はきっと、日本人にはピンとこないところにある気がする。
でもその理由がきっと、日本のいちばんの「特徴」なのだと思います。

よいところ=特徴=他と異なっている点。

癖毛の人はきまってそれがコンプレックスであるように(→わたしも)、意外に自分ではそこをひけめに思っていたりすることが多いもの。

でも、他の人から見て評価されるなら、それを長所と思って生かしていくことが、結局は自分のいいところを延ばすことにつながる。

きっと東北もそうで、「他から新しくきた人の視点でみえる特徴」をのばしていくことが、復興の足がかりになると思うのです。

まだまだ今は復興を語るには早すぎる段階だと思うけれど、柳田國男が「遠野物語」の中で東北の魅力を描いたり、小泉八雲が島根で「怪談」を執筆したように、そこに住んでいる人がそうと気づいていないいいところ、他から評価される特色が必ずある。

それを上手にキャッチすることが、東北の"神戸コレクション"のもとになり、日本の復興の礎のひとつにもなると思うのです。

再生のための評価でいちばん重要なのが、「お金があつまること」。
そのことに対して対価が発生し、それが妥当な金額~少々高額であっても、人がお金を払おうと思う価値があること。
この神戸コレクションのように、「たくさんの人を幸せにし、楽しませ、未来をひらく」もの。
それをこれから見つけていったらいいのだと思う。

以前のブログ、100年に一度の不況、1000年に一度の災害、10000年に一度の奇跡の中で、人と人とのつながりのことについて書いたけど、本当にこういった動きは素晴らしいと思う。
今の日本のこの状態こそが、他の国から見てすごいことだと思うのです。

今すでに、日本にも再生のもとはある。
手の中につかんでいるものに気づくだけなのだと思う。

神戸コレクションの発展の経緯に、日本の未来の希望を感じたひとときでした。


plusレポートつづきます^^
by songsforthejetset | 2011-04-16 03:09 | 芸術いろいろ
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