今、引っ越しのために本を処分しているところです。 もう読むこともない、昔買った本を手にとって、懐かしかったり、その頃の自分を思い出したり。 中島らもさんの『恋は底ぢから』という本が出てきて、その中に、「その日の天使」という大好きなエッセイがあったのを思い出しました。 すごく素敵な文章なので、抜粋して載せてみます。 「その日の天使」 一人の人間の一日には、必ず一人、「その日の天使」がついている。 その天使は、日によって様々の容姿をもって現れる。 心・技・体ともに絶好調のときには、これらの天使は、人には見えないもののようだ。 逆に、絶望的な気分に落ちているときには、 この天使が一日に一人だけ、さしつかわされていることに、よく気づく。 こんなことがないだろうか。 暗い気持ちになって、冗談にでも、“今、自殺したら”などと考えているときに、 とんでもない知人から電話がかかってくる。 あるいは、ふと開いた画集か何かの一葉の絵によって救われるようなことが。 それは、その日の天使なのである。 素敵な文章でしょう? 中高生の頃は宝島を読んでいて、中島らもさんのかねてつシリーズが大好きで、エッセイや小説も何冊も持っていました。 この本を買ったのは20代の頃。 毎日つらいことがあって悩んで、着る服も黒・紺・茶ばっかりだった頃でした。 いまのわたしを知ってる方からは想像もつかないかもしれませんが。。 いろんな本を読んだ。 そんなときに出会った文章。 見開き2ページの短いエッセイだけど、当時のわたしがとても救われた文章でした。 この文章のように思ってたら、ほんとに毎日なにか、 「あ、これが天使?」 って思えるようなことがあるのです。 とても不思議だけど。 それが人の場合もあるのですが、向こうはまさか自分が「天使」だとは全然思っていません。 でもこちらはとても救われている。 なんだか毎日、そういった「天使」の飛び石をはげみにがんばっていた、そんな時もありました。 気がついたら、もうそんなことを考えなくなっていました。 だからもし今、つらいことがたくさんある方も、その日の「天使」を楽しみに、毎日過ごしてみてください。 必ず毎日、何かがあることにびっくりされると思いますよ。 そして、同時に自分も、誰かの「天使」になっていることもあるのです。 まったく気づかずに。 自分がそこにいて、普通にしていただけで。 どんな人でも、必ず何かに助けられて、何かを助けている。 そのことを最も感じることができるのは、いまつらい状況にある方。 今が大変なときでも、今の経験が役に立つ時がいつかやってきます。 天使がつないでくれる日々の向こうには、ふと気付くと、幸せの青空がみえているもの。 さあ、明日はどんな「天使」に出会うでしょうか。 楽しみに待ってみてくださいね(^-^)。
by songsforthejetset
| 2011-05-10 00:36
| 本
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