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プロフェッショナル 宮崎駿


先日の「プロフェッショナル」は、宮崎駿特集でした。
よかった!
またポニョみたくなりました♪

冒頭で宮崎監督、
「この映画を見て、海の上が走れるって子供が思ってくれたら、"やった"と思う。」
・・・わたしも(ちょっと走れるかも?)って思ってました(笑)。

番組は、スタジオでの「崖の上のポニョ」制作の模様と、宮崎監督の半生やフィルモグラフィーについて紹介していました。

宮崎監督が描いた絵コンテをもとに、作品ができあがっていくのですが、その絵コンテの美しいこと!!
簡単なラフスケッチでも完璧なバランスで、もうそこに完成した画面があるのです。
"善"を線で表したような、そんな絵コンテに見とれました。

絵にはその人自身が絶対にあらわれると思いますが、宮崎監督もご自身のアニメに出てくるキャラそっくりの笑顔をされていました。

*印象に残った言葉*

 (絵の表現が思うようにできないスタッフに)
「描けないものは、努力して描かなきゃだめ。描ける範囲にひきずりこんじゃだめ。」

 (絵コンテを描き進めながら)
「何でもいいの。とにかく、一定のものを描いているうちに、自分の引き出しが開いていくから。 
・・・ということを祈りつつ・・。」

 (制作のポイントとして)
「半径3m以内で仕事をする。身の回りで出会ったものをつかう。」
トトロは近所のバス停からインスピレーションを得て、ポニョのモデルはスタッフの愛娘フキちゃんだそうです。

 (絵コンテの線を何度も描き直しながら、よりリアルな表現を追求する) 
「どっかにあるはず。探してる線が。」

 (友達の訃報を聞き、夕焼けを見て)
「死んだら、夕焼けも見られないねえ。」

 (説明的な台詞をはぶいていきながら)
「5歳の子供には意味がない。おじさんたちのための理屈書いてもしょうがない。」


宮崎監督は、昭和16年生まれの、4人兄弟の次男。
子供のころから胃腸が弱く、20歳まで生きられないとお医者さんに言われ、かけっこでもいつも最下位の子供だったそうです。

その上、監督が子供のころにお母さんが重い病気になり、ほぼ寝たきりになってしまいます。

母に甘えられず、いい子を装った。
屈折した。
「生まれてこなければよかった」
絵ばかり描いていたそうです。

手塚治虫のファンになり、高3の時に見たアニメ映画「白蛇伝」に感動し、その映画を製作したスタジオに就職。
当時から才能はずば抜けていたそうです。

劣等感のかたまりだった監督にとって、「ようやく居場所ができた」。

TVアニメの「ハイジ」で高い評価を受け、38歳の時に映画「カリオストロの城」を制作します。
しかし、SF全盛期の当時は興行的に振るわず、その後何年も不遇の時代が続きます。

なんと「トトロ」や「もののけ姫」、「ラピュタ」の原案も、その頃からできていたそうです!

その当時は企画を取り上げてもらえなくて残念だったけれど、何年も置いておくだけで作品の引き出しに内容がたまって、豊富になっていくのだそうです。
「恨みに思わない。人に人生を決めさせない。
 企画がだめでもしまっておく。」
「トトロ」が映画化されるまで13年。
宮崎監督にも挫折の歴史があったんだなあって思いました。

その後ナウシカが漫画連載を経て映画化、大ヒット。
当時宮崎監督は43歳だったそうです。
それからどんどん名作を生みだしていきます。

宮崎監督の「人を楽しませたい」と言う気持ち。
それはなぜかというと、
「楽しんでもらえたら、自分の存在が許される」
という気持ちからきているのだそうです。

なんだか育ち方から考え方まで、自分とよく似ているなって思いました。

「幼児期に形成されたものが何かあるかもしれない」という言葉が何度か番組中登場した。
監督の中で、淋しかった少年時代の"欠け"はまだ埋まっていないのだろうなあって思いました。
体は年をとっていくけど、心は変わらない。

埋めても埋めても、いっぱいにならない大きな穴があり、その埋める作業が「作品をつくること」や「人を喜ばせ、認められる」ということなのかもしれないなって思いました。

監督はいままでの作品の中に、お母さん(超美人!)を投影したキャラクターを度々登場させています。
ポニョでは、意地っ張りなトキさんがお母さんにあたるそうです。
「おふくろに対する気持ちをほどいていない。
 どうすれば、もっと生き生きと生きられたのか。」

ラスト近くで、トキさんがそうすけを抱きしめるシーン。
抱きしめるというのは、もっとも根源的な愛情の表し方。
受け止められ、温かく包まれ、守ってもらえる。

それはそのまま、宮崎監督がお母さんにしてほしいことなのだろうなって思いました。

途中、お父さんがそうすけの点滅信号をみて、
「あいつはまだ5歳だぞ!そうすけは天才だ!!」
って言っている言葉がすごく印象的だった。

もしかしたらこれは、宮崎監督があまりかまってあげられなかった自分のお子さんに、言ってあげたかった言葉のような気がしました。

ポニョの制作を通して、誰よりも宮崎監督が、「自分のつくったアニメの中のような世界」を追い求めている少年のようだなあって思いました。


いろんな人をみていて思うけれど、「特徴的な自分」をもっている人ほど、「その特徴と逆の自分」を心の中に持っている気がします。

みんな「欠けていると思っている"自分"」をコレクションしているのだとおもう。

「欠けている感」が大きい人ほどたくさん集める。
集めて集めて、集めすぎて、それがその人の特徴として表に出てきている気がする。

ただその「欠け感」は本人にしかわからないし、見た目だったり性格的なことだったり、ほんとに様々なのだけど。

何かをつくっている人を、「つくっている作品のような人」だと思いがちだけれど、実は「つくっている作品とは正反対の部分がたくさんある人」だったりするのだろうなあって思います。

わたしも、そういえば自分に欠けていると思うものを、一生懸命あつめていることに気づきます。
人生って、欠けているものを探す旅なのかな。

誰でも、自分が持っているものはなかなかその存在に気づけなくって、欠けている(と自分が思っている)ものを欲しがるのだと思う。

だけどそれが、いろいろなものを生み出す原動力になったりする。
他の人にも楽しんでもらえたりする。
そういうことを生み出す「人間のこころ」って、ほんとうに面白いなあって思います。

そんなことを考えた、今回のプロフェッショナルでした。
見逃した方は、来週月曜深夜に再放送があるみたいですよ☆
by songsforthejetset | 2008-08-08 01:58 | 映画
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