TVをつけたら、今度11/29に岡大で講演をしてくださる、がん専門看護師の田村恵子さん出演の「プロフェッショナル」が再放送されるところでした! http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/080930/index.html 講演会に行こうと思っているので、プロフェッショナルもぜひ見ておきたかったのです。 よかった。 田村恵子さんは、大阪の淀川キリスト教病院で働く"がん看護専門看護師"。 日本のホスピスにこの人ありと謳われる、がん医療に高度な知識を持ち、21人の看護師さんたちを束ねる看護師長さんです。 ホスピスで患者様と向き合って20年になるそうです。 患者様の苦痛を和らげ、残された日々をよりよく過ごすために、体の痛みを医療用麻薬で和らげる緩和ケアが行われます。 患者さんのしんどい気持ちを和らげようと、ピンクのナース服を選ぶ田村さん。 田村さんが大切になさっていることは、 ホスピスに来るまで、自分が「見捨てられた」という感覚を持つことが多い患者様に、「見捨てられたのじゃない」とわかってもらうこと。 言葉では正確に伝えきれない痛みを、 「表情はその人の心の動きがすごくわかるところ」 と、表情から"声にならない声"を聴いて、気持ちを汲み取ること。 そして、もっと大切な仕事は、 「心の痛みを癒すこと」。 死への恐怖、後悔の念、様々な苦しみを抱えている患者様たち。 その苦しみの中にある人と、正面から向き合うこと。 田村さんが信じる言葉は、「希望は必ず見つかる」。 絶望のどん底にあっても、人は心のどこかに必ず希望を持っているから、それに気づいてもらうために患者様と話すのだそうです。 田村さんは、相手がつらい思いを語っても、決してはげましたりせず、ただ相手のことを受け止められていました。 話し始めて1時間、田村さんの傾聴をとおして、自分の中の前向きな気持ちに気づいた患者様には、安心した笑顔があらわれていました。 また、治療のほどこしようがないと診断されながらも、なお抗がん剤治療を希望される、36歳の男性の患者様が紹介されていました。 「余生をどうすごすか」 という言葉が年齢とあまりにも不似合いに響いていました。 田村さんの職場では、患者様にどういった治療が望ましいか、常に医師、看護師で話し合うのだそうです。 支えるのは、患者様の「自分らしい人生」。 その患者様が治療半ばで亡くなってしまったとき、独りで涙を流され、そしてまた次の病室へむかっていく田村さん。 スタジオでも、それぞれの人の人生が蘇ってくる、と涙されていらっしゃいました。 「生きるってこういうことなんだ」という真実。 「亡くなった」からっていう感じではなく、「生き抜いた」という感じ。 悲しくないといえば嘘だけれど、「生ききる」というパワーをいろんな人からいただいていて、"それを次に向かう人へ"と思っているので、心が萎えてしまう暇がない。 現在の医療では、痛みをかなり和らげることができるそうです。 そうすれば、その人の本来の生活が戻ってくるので、そこでかなりの方が前向きの力を発揮されるのだそうです。 「今を生きなくては」という、「前向きに、自分の力をもう一度信じて生きてみよう」と思う気持ち。 「覚悟が決まった人間はすごく強い」とおっしゃっていました。 田村さんにとっての大きな出会いに、7年間の友情をはぐくんだ、35歳の秀隆さんという患者さんがいらっしゃったそうです。 「がんになっただけの人生だ」と悲観する秀隆さんに、田村さんが「何かしたいことはないの?」と励ましたことがきっかけで、その後病院のロビーでピアノの演奏を始めた秀隆さん。 バイオリンやフランス語の勉強もはじめ、どんどん世界を広げていき、「しあわせだった」という言葉を残して旅立ったそうです。 「自分が生きた証を残したい、自分が書きためていた文章を本にしたい」と作業を進め、出来上がった本の装丁を見て、「これでいい」と言って、数時間後のことだったそうです。 そんな患者様の姿から、田村さんは、 "「やりきった」ということをわけてもらえる。" とおっしゃっていました。 「その時その時、その日その日を大事にしなくちゃ」ということ。 体はどんどんしんどくなっても、心の持ち方で豊かに生きれるということを、自分の人生で実感すると、それが力になり、「明日はこんなことしよう」という思いが生まれる。 どんな患者さんにも前向きに生きていく力がある。 人は皆、それぞれ独りで生きている存在じゃない。 自分をはぐくんでいたものがある。 「ほんとうに自分の中でたいせつなもの」を支えるのは、自分の周りにいる親しい人たち。 そういった人に支えてもらってる限り、心は体を支える。 1ヵ月半後に娘さんの結婚式を控えた患者様が紹介されました。 余命が数週間になるとあらわれる意識障害が起こっているため、結婚式には間に合わない見込みが強い患者様です。 目の前の患者さんのために、何ができるか考え続ける田村さんは、これまでにも、なす手立てのない患者さんと何千人も関わってこられています。 「自分の最後が訪れることに納得できれば、人は安らかに旅立っていく」 心安らかに生ききる、スピリチュアルの部分で納得できることが大切、とおっしゃる田村さん。 田村さんの発案で、病院内のチャペルで結婚式に先立ってウェディングドレスを着た娘さんと並んで写真を撮る患者様。 そこには、穏やかな表情を浮かべる花嫁の父の顔がありました。 その患者様は、翌日から意識が低下され、次の日に家族に囲まれ眠るように息を引き取られたのだそうです。 プロフェッショナルとは?という質問に、田村さんは、 「私の中のこれまでの経験にもとづいている直感を信じて揺るがないこと、そして相手の方の力をそれ以上に信じてあきらめない、そういう人」 とおっしゃっていました。 なんだか最近、前にもまして、命の大切さや生きることの真剣さについて考える機会が多くなっているような気がします。 今回のプロフェッショナルの田村さんの言葉も、今の自分の心にそのままあてはまるような、そんな印象がありました。 そんな田村恵子さん、今度岡大に講演に来てくださいます!! 第4回がん看護専門看護師コースWG研修会 テーマ 緩和ケアにおける看護師の役割~がん患者の全人的苦痛とケア~ 講師 田村恵子 日 時 平成20年11月29日(土) 13:30~16:30 場 所 岡山大学医学部保健学科棟3階 301講義室 岡山市鹿田町2丁目5-1 (岡山大学鹿田キャンパス内) 問合せ 秋元典子 TEL&FAX 086-235-6856 E-mail nakimoto@md.okayama-u.ac.jp ※当日参加も受け付けています。 http://www.chushiganpro.jp/intensiv.php#30 いいお話がお伺いできると思います。 ご興味ある方はぜひ♪
by songsforthejetset
| 2008-10-01 01:27
| つれづれ
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